フォントネーのシトー会修道院
シトー会の修道院建築を伝える建造物群

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : フランス共和国 所在地 : Department of Côte d'Or, Burgundy Region 分類 : 文化遺産 登録年 : 1981年 範囲変更年 : 2007年 登録基準 : (iv) 遺産の面積 : 0.0577㎢ バッファ・ゾーン : 13.97㎢ 座標 : N47 38 21.984 E4 23 20.8

about

質素・倹約を体現する修道院

フォントネーのシトー会修道院は、フランス中部のブルゴーニュ地方の豊かな森の中に静かにたたずんでいます。修道院は1118年にクレルヴォーの聖ベルナールによって創建されました。自然の中に多くの泉(フォンテーヌ)があったことから、フォントネーと名づけられました。聖ベルナールが属していたシトー会は、キリスト教の聖ベネディクトゥスの戒律を厳格に守り、祈りや瞑想を重んじて彫刻や絵画などで教えを示すことを禁じる禁欲的な修道会です。そのため、聖ベルナールが築いたフォントネーの修道院にも彫刻や聖人などのステンドグラス、装飾などはなく、彼らの質素で倹約な修道生活をうかがい知ることができます。

私有地である世界遺産

フォントネーの修道院は、ブルゴーニュ地方の数々の争いの中で略奪や破壊を経験してきましたが、その中でも大きな転換点となったのが1789年のフランス革命です。革命によって最後の修道士8人が修道院を追放されると、革命派は修道院をクロード・ユーゴーに売却してしまいます。ユーゴーは修道院を改築して製紙工場にしますが、1820年に熱気球を発明した人物の子孫である貴族エリー・ドゥ・モンゴルフィエに売却されると、建物の保護が行われて1852年には歴史的記念建造物に指定されました。モンゴルフィエ一族はフォントネーでの製紙業を発展させますが、モンゴルフィエ家の娘婿であるリヨンの銀行家エドゥアール・アナールが修道院を購入すると、製紙業に用いた建物を解体し、中世のオリジナルの姿に復元修復を行いました。現在もアナール家が所有し、保護を行いながら一部を一般公開している、とても珍しい世界遺産です。

シトー会の修道院建築の典型例

フォントネーでは、当時の様子をよく伝える中庭と回廊を囲むように、ラテン十字形のバジリカ式のシンプルな教会や、正方形の集会室、修道士たちが並んで藁をひいて眠った広い共同寝室などが配置されています。これはシトー会の修道院の典型的な建築様式を残すものです。また作業用の建物は祈祷や生活の場からは切り離されており、少し離れた場所に鍛冶場や水車、製粉機などが残されています。また修道院の周囲の森林は、国有林は公有林として保護されています。

アクセス

パリからモンバールまでTGVで約1時間。そこからタクシーで約10分。

執筆協力者PROFILE

宮澤 光
宮澤 光
NPO法人世界遺産アカデミー主任研究員

北海道大学大学院博士後期課程を満期単位取得退学。仏グルノーブル第Ⅱ大学留学。2008年より現職。世界遺産に関するさまざまな書籍の編集・執筆・監修を手掛けるほか、「チコちゃんに叱られる!」(NHK)などの多くのメディア出演や、全国各地で100本を超す講演・講座を実施している。著書に『13歳からの世界遺産』(マイナビ出版)、『世界遺産のひみつ』(イースト・プレス)など。

遺産DATA

所在地 : Department of Côte d'Or, Burgundy Region
分類 : 文化遺産
登録年 : 1981年
範囲変更年 : 2007年
登録基準 : (iv)
遺産の面積 : 0.0577㎢
バッファ・ゾーン : 13.97㎢
座標 :N47 38 21.984 E4 23 20.8

アクセス

パリからモンバールまでTGVで約1時間。そこからタクシーで約10分。

執筆協力者PROFILE

宮澤 光
宮澤 光
NPO法人世界遺産アカデミー主任研究員

北海道大学大学院博士後期課程を満期単位取得退学。仏グルノーブル第Ⅱ大学留学。2008年より現職。世界遺産に関するさまざまな書籍の編集・執筆・監修を手掛けるほか、「チコちゃんに叱られる!」(NHK)などの多くのメディア出演や、全国各地で100本を超す講演・講座を実施している。著書に『13歳からの世界遺産』(マイナビ出版)、『世界遺産のひみつ』(イースト・プレス)など。