about
木材資源の乱伐から環境を守る活動が続く
オーストラリア大陸の東海岸にある南北約120kmにわたる世界最大の砂の島です。大陸の東部にあるグレート・ディヴァイディング山脈から風化で削られた砂が飛んできて堆積して形成されました。砂丘は海鳥たちの生息地となり、鳥たちにより運ばれた種子が芽吹いて成長し、森が広がり安定した台地となりました。この島にはアボリジニの人々が約4万年前に初めて居住したと考えられています。先住民バジャラ族は、島を「天国」という意味の「ガリ」と呼びました。19世紀半ばに木材資源が豊富にあることが知られ、それを目的とするヨーロッパ人が大挙して来島しました。20世紀になると製材所や鉄道なども造られ、島の自然は荒廃していきましたが、1991年に伐採が全面的に停止されました。また、1976年には採掘も終了し、環境回復が進められています。
「フレーザー島」から「ガリ」へ
1992年の世界遺産登録時は「フレーザー島」(Fraser Island)の名称が用いられていました。フレーザーとは、1836年に島に座礁したエリザ・フレーザーという女性に因むもので、イギリスに戻ったエリザが島での体験を広めたことで、フレーザー島として知られるようになりました。一方、先住民のバジャラ族からは「ガリ」と呼ばれており、近年は伝統的な島名に復帰するよう働きかけていました。2021年の世界遺産委員会では、伝統的な名称を併記した「ガリ(フレーザー島)」(K’gari(Fraser Island))に変更となりました。2023年には、クイーンズランド州政府が島の名称を正式に「ガリ」へと改名し、2025年の世界遺産委員会でも「ガリ」(K’gari)単体の登録名となりました。
アクセス
オーストラリア東岸、リバーヘッズ港からフェリーを利用。
執筆協力者PROFILE
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
アクセス
オーストラリア東岸、リバーヘッズ港からフェリーを利用。
執筆協力者PROFILE
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
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