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赤道直下に浮かぶ絶海の孤島
ガラパゴス諸島は、南米のエクアドル本土から西に約1,000km、赤道直下の東太平洋沖に位置しています。大小19の島と周辺の岩礁からなるガラパゴス諸島は、海底火山の噴火によって誕生した島で、これまでに一度も大陸と陸続きになったことがない海洋島です。動植物は隔絶された島の環境に適応し、独自の進化を遂げていきました。現在、ガラパゴス諸島の陸地の97%は保護地区となっており、サンタ・クルス、イサベラ、サン・クリストバル、フロレアナの4つの島を除き、人は住んでいません。
天敵がいない動物たちの楽園
大陸から遠く離れたガラパゴス諸島には、海を越えることのできる鳥類や海生生物、爬虫類が多くみられます。一方で、天敵となる大型の肉食哺乳類や両生類は存在しません。このような環境下で生物は独自の進化を遂げました。現在島々で見られる植物の3分の1、陸鳥の80%以上、爬虫類のほぼすべてが固有種と考えられています。また島の周辺には複数の海流が流れており、海洋生物も豊富に生息しています。確認された約2,900種のうち、およそ18%は固有種であり、非常に高い固有率を誇ります。寒流の影響で、赤道直下にありながら熱帯と温帯が混ざり合ったような気候も特徴で、ユニークな生態系の形成に寄与しています。
進化論誕生のきっかけとなった島
1835年に測量船ビーグル号で島に足を踏み入れた英国の博物学者チャールズ・ダーウィンは、ゾウガメやイグアナ、フィンチなど島の生物を観察しているうちに、甲羅やくちばしの形状など、生物が生息する島ごとに異なる特徴をもっていることに気が付きました。ガラパゴス諸島での経験は進化論のアイデアとなり、帰国後ダーウィンが著した『種の起源』は自然科学だけでなく、当時の社会にも大きな影響を与えました。自然選択による進化の概念は、現在も生物学の礎となっています。
アクセス
執筆協力者PROFILE
東京外国語大学言語文化学部卒。在学中にパレスチナやヨルダンなど中東地域への留学を経験。大手メディア企業勤務を経て、2021年より現職。書籍やテレビ番組等の監修を行う。
Details
サンタ・クルス島
Santa Cruz
イサベラ島
Isabela
サン・クリストバル島
San Cristobal
フロレアナ島
Floreana
フェルナンディナ島
Fernandina
ガラパゴスペンギン
Galapagos penguin
ガラパゴスアシカ
Galapagos sea lion
ガラパゴスゾウガメ
Galapagos tortoise
ウミイグアナ
Marine iguana
ガラパゴスリクイグアナ
Galapagos land iguana
アオアシカツオドリ
Blue-footed booby
アカアシカツオドリ
Red-footed booby
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執筆協力者PROFILE
東京外国語大学言語文化学部卒。在学中にパレスチナやヨルダンなど中東地域への留学を経験。大手メディア企業勤務を経て、2021年より現職。書籍やテレビ番組等の監修を行う。
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