about
黄海を代表する渡り鳥の楽園
韓国南西部、黄海沿いに広がる『ゲボル』は、舒川干潟、高敞干潟、新安干潟、宝城・順天干潟の4地域から構成されており、総面積は12万8,000ha以上になります。これは世界でも有数の規模を誇る干潟生態系です。ここは東アジア・オーストラリア地域フライウェイ(EAAF)の中心的な中継地で、ヘラシギ、ホウグロシギ、ナベヅルなど絶滅危惧種を含む118種の渡り鳥が休息や採餌のために集まります。年間で推定5千万羽もの水鳥が、シベリアやアラスカからオーストラリアまでを往復する長旅の途中、この地で命をつなぎます。干潟は鳥たちの生存を支える重要な拠点であり、生物多様性の要衝となっています。
豊かな生物多様性と人の共生
ゲボルは干潟、砂州、岩礁、砂浜、塩性湿地など多様な環境を持ち、そこには2150種以上の動植物が暮らしています。そのうち22種は絶滅危惧種、47種は黄海固有種であり、トラガニなど希少な海洋無脊椎動物も確認されています。このような自然環境は、地元の人々の生活とも深く結びつき、漁業や貝採りなど伝統的な生業を支えてきました。過去に一部では埋め立てが進められましたが、2019年に「干潟法」が制定され、新たな開発は全面的に禁止となりました。現在では、失われた干潟の再生も進められています。このように、豊かな生物多様性と人々の暮らしが共生するこの海辺は、文化と自然が融合した貴重な景観として今も受け継がれています。
アクセス
ソウルから舒川までバスで約2時間半。さらにゲボル(舒川干潟)まで車で約30分。
執筆協力者PROFILE
																	世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
アクセス
ソウルから舒川までバスで約2時間半。さらにゲボル(舒川干潟)まで車で約30分。
執筆協力者PROFILE
															世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
Similar Heritage
特徴が似た遺産を探す