ギョベクリ・テペ
遺跡で最も古い第3層。前1万年代のものと考えられている

遺産DATA

地域 : 西・南アジア 保有国 : トルコ共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2018年 登録基準 : (i) (ii) (iv) 遺産の面積 : 1.26㎢ バッファ・ゾーン : 4.61㎢ 座標 : N37 13 23.671 E38 55 20.5

about

信仰が先なのか、農耕が先なのか

ギョベクリ・テペは、文明発祥の地とされるメソポタミア地域に位置し、アナトリア南東部シャンルウルファ県オレンジク村の近くにある遺跡です。ここでは、新石器時代の神殿と考えられている巨石建造物が発見されています。1994年、ドイツ考古学研究所によるの発掘調査の結果、人類がまだ狩猟採集の生活を営んでいた約1万1,500年前に、世界で最も古い信仰の痕跡が見られることが分かりました。それまでの研究では、農耕が始まることで人類が定住生活を送るようになり、貧富の差がうまれ、やがて宗教的権力者が現われ、神殿が建てられるという文明発達の過程が定説とされてきました。狩猟採集の時代、人々は食料を求めて移動生活を送っていたため、大規模な建造物は存在しないとされていたのです。しかし、ギョベクリ・テペの発見はこの定説を覆し、農耕が始まる以前から神殿を建設するほど発達した文明の存在を示しているのです。

巨石建造物から文明の起源を解明する

ギョベクリ・テペの歴史は約1万1,500年前にさかのぼり、約1,500年のあいだに、人々の生活は狩猟採集による移動生活から、農耕を行う定住生活へと変化していったと考えられています。T字型の巨大な石柱を円形に配置した大規模な建造物は、古い時代のものから3層に重なっており、集会や宗教的儀式に使われた世界最古の神殿と考えられています。12本の石柱に囲まれた中央には、重さ15tにもなる2本の石柱が立っています。高さ約5.5mにもなるその表面には、幾何学模様や動物などを表す彫刻が刻まれています。また遺跡の別の場所からは、石灰岩で作られた等身大のイノシシ像が発見されています。その表面には赤・白・黒の顔料の痕跡が残されていることから、世界最古の彩色された等身大彫刻とされています。イノシシ像が見つかった周辺からは、三日月や2匹のヘビ、3つの人面あるいは仮面と考えられる彫刻も見つかっています。さらに近年の発掘調査では、頭蓋崇拝を示す人骨も発見されています。ギョベクリ・テペは、どのような集団が、何のために、どうやってこの文明を築いたのかについて未だ解明されていないことが多く、今後のさらなる調査・研究が待たれる遺跡です。

アクセス

首都アンカラから飛行機でシャンルウルファ空港まで約1時間20分、空港からギョベクリ・テペまで車で約30分。

執筆協力者PROFILE

高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

兵庫県出身。中学3年生の夏休みの台湾ひとり旅をきっかけに、旅行先の歴史・景色・料理など、世界を知る魅力のとりこになる。「世界遺産を学習して見て感動して」をモットーに活動。全国通訳案内士の資格も有し、日本の魅力も発信している。

遺産DATA

保有国 : トルコ共和国
分類 : 文化遺産
登録年 : 2018年
登録基準 : (i) (ii) (iv)
遺産の面積 : 1.26㎢
バッファ・ゾーン : 4.61㎢
座標 :N37 13 23.671 E38 55 20.5

アクセス

首都アンカラから飛行機でシャンルウルファ空港まで約1時間20分、空港からギョベクリ・テペまで車で約30分。

執筆協力者PROFILE

高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

兵庫県出身。中学3年生の夏休みの台湾ひとり旅をきっかけに、旅行先の歴史・景色・料理など、世界を知る魅力のとりこになる。「世界遺産を学習して見て感動して」をモットーに活動。全国通訳案内士の資格も有し、日本の魅力も発信している。