ゴルディオン

城塞都市と革新的な建築技術

アンカラ南西約90kmに位置するゴルディオンは、紀元前10〜6世紀の古代フリギア王国の政治・文化の中心地でした。東西交易路の交差点にあり、要塞の門は鉄器時代の建築として現存する中でも最良の保存状態を誇ります。内部の宮殿では、小石で作られた古代のモザイク床が発見されており、大規模な食品加工や織物生産が行われたテラス複合施設も確認されています。伝説のミダス王の時代にも繁栄を極め、その名は周辺の巨大墳丘にも刻まれています。建物は、長さ10メートルを超える梁を支柱なしで架ける画期的な構造を持ち、当時の高度な技術の高さを物語っています。

王権を象徴する古墳群

ゴルディオン周辺には壮大な古墳群が広がり、権力と信仰の象徴的景観を形成しています。最大の「ミダスの墳丘」は高さ53m、内部の埋葬室は紀元前740年頃の世界最古級の現存する木造建築で、保存状態の良い木製家具なども出土しています。これらはフリギア人の木工・金属加工技術の高さを証明しています。遺跡はトルコの文化財保護法に基づき大切に守られています。壮大な景観と歴史の息吹を感じながら、古代王国の物語に触れることができる貴重な場所です。