グレート・ブルカン・カルドゥン山と周辺の聖なる景観
チンギス・ハンとモンゴルの山岳信仰に深く関わり、文化遺産として登録されている

遺産DATA

地域 : 東・東南アジア 保有国 : モンゴル国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2015年 登録基準 : (iv) (vi) 遺産の面積 : 4437.392㎢ バッファ・ゾーン : 2716.5117㎢ 座標 : N48 45 43.12 E109 0 33.6

about

モンゴルシャーマニズムの聖地

モンゴル北東部ヘンティー山脈の中央に位置し、古くからモンゴルのシャーマニズムの信仰の聖地でオボーと呼ばれる石塚がたてられています。オボーには祖先の霊が宿っていると考えられており、神の象徴となるものや絹などが木の棒に結びつけられています。この地ではモンゴル古来のシャーマニズムと仏教が融合した祭事が行われています。またこの地は中央アジアステップとシベリア・タイガが交わる特殊な自然景観が広がり、レッドリストに登録されている動植物も生息しています。

モンゴル古来の伝統的な信仰

モンゴルの古代のシャーマニズムの慣習は山や川、大地などといった自然に対する神々への信仰で、遊牧生活とともに発展してきました。モンゴル人民共和国であった共産主義時代はこうした自然崇拝は禁止されていました。現代ではシャーマニズムの儀式は復活してきていますが、急速な都市化や遊牧民の都市への流出などによって、こうした知識をもった指導者が急速に減少しています。その一方で、儀礼を行うための環境整備や若者たちへ儀礼参加や振る舞いを教える活動もみられます。モンゴルの伝統的な信仰慣習はユネスコの無形文化遺産にも登録されています。

チンギス・ハン誕生の地

ブルカン・カルドゥンはモンゴル帝国初代皇帝となったチンギス・ハンが生まれた場所であり、また没した地とも信じられています。この地はチンギス・ハンの生涯とも深く密接しており、ブルカン・カルドゥンへの信仰をもとにモンゴル民族の統一を目指したとされています。また、ブルカン・カルドゥンは多くの考古遺跡も残っておりモンゴル帝国時代の遺跡だけでなく、青銅器時代の遺跡、匈奴、突厥時代の遺跡も数多く残されています。

アクセス

執筆協力者PROFILE

角濱 さくら
角濱 さくら
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/大学生

筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。

遺産DATA

保有国 : モンゴル国
分類 : 文化遺産
登録年 : 2015年
登録基準 : (iv) (vi)
遺産の面積 : 4437.392㎢
バッファ・ゾーン : 2716.5117㎢
座標 :N48 45 43.12 E109 0 33.6

アクセス

執筆協力者PROFILE

角濱 さくら
角濱 さくら
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/大学生

筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。