about
特殊な自然環境と海洋学研究の要地
メキシコ北西部からカリフォルニア湾に位置する保護区群は244の島々やその海域と沿岸から構成されます。保護区の内陸部には広大なソノラ砂漠もあります。特徴はかつて陸続きだった大陸島と火山活動によって生じた海洋島が狭い地域に同時に存在する点です。この特殊な環境によって多くの海洋学的現象も発生し、地球上で発生する海洋現象のほとんどを観察することができるともいわれています。そのため海洋学の研究において重要な地域ともなっています。
90種の固有種を有する多様な生態系
保護区群では695種の維管束植物が生息しています。また897種の魚類が生息しており、そのうちの90種は固有種です。世界の海洋哺乳類の約40%、海洋鯨類の3分の1がこの地域に生息しており、なかには絶滅危惧種のシロナガスクジラも含まれています。また豊富な植物プランクトンと動物プランクトンはサンゴ礁に棲む魚類の幼生の生育場となっています。内陸のソノラ砂漠にはオオハシラサボテンなど多肉植物も多く生息しています。
コガシラネズミイルカと危機遺産
カリフォルニア湾の島々と自然保護区群は固有種のコガシラネズミイルカの減少と絶滅の恐れを理由に2019年に危機遺産リストに記載されました。コガシラネズミイルカの現在の生息数は10頭未満といわれています。これを受けて世界遺産センターはメキシコ政府やIUCN(国連自然保護連合)などと協力し、違法漁網の撤去や保護区の制定などの措置に取り組んでいます。また世界遺産センターでは取り組みのための財政支援も行っています。
アクセス
La Paz国際空港から個人所有かレンタルの船舶または、CONANPから許可を得たツアーオペレーターを利用してアクセス可能。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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La Paz国際空港から個人所有かレンタルの船舶または、CONANPから許可を得たツアーオペレーターを利用してアクセス可能。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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