about
氏族村落に伝わる儒教文化
14〜15世紀に形成された朝鮮王朝初期を代表する氏族集落として、河回村(ハフェマウル)と良洞村(ヤンドンマウル)は最も保存状態の良い遺産として知られています。この地には宗主家の邸宅や学問所、庶民の茅葺き家などが残され、伝統的な生活様式と社会制度の姿が残ります。また、朝鮮王朝初期の貴族的儒教文化を色濃く反映している点でも特徴的です。建築物や村の配置は、当時の両班(貴族階級)や庶民の暮らしや社会構造を体現しており、約500年にわたって受け継がれてきた朝鮮の精神文化を今に伝えています。
詩人も魅了された美しい景観
河回村と良洞村は、山や川に囲まれて自然の中にひっそりと佇み、まるで隠れ家のように自然と調和した暮らしが営まれてきました。これらの村の生活は、風水思想や儒教的価値観に基づいており、心身に恵みをもたらすと信じられてきたのです。その思想を体現するかのように、東屋や隠れ家から望む山や水辺の風景は、17~18世紀の詩人たちによってその美しさが讃えられてきました。建築と景観が織りなす静謐な空間は、現代でも訪れる人々を魅了し続けています。四季折々の自然と調和した建築美が広がるこれらの村の景観は、まさに「暮らしそのものが芸術」であるといえます。
アクセス
ソウルから両村までは電車とバスを乗り継ぐ。河回村まで約3時間半、良洞村まで約3時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
アクセス
ソウルから両村までは電車とバスを乗り継ぐ。河回村まで約3時間半、良洞村まで約3時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
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