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人の手が加わることで生まれた美しい眺望
浙江省杭州市の中心部にある外周15kmほどの西湖は、三方を丘に囲まれ霧に包まれることが多いところです。この山水画のような世界は、9世紀の唐代以降多くの文人墨客を惹きつけてきました。13世紀に南宋が首都を置いて以降、杭州は中国人にとって伝統的な景観の最高例となりました。13世紀にこの地を訪れたマルコ・ポーロもその美しさを絶賛しました。西湖の周辺には、中国の歴史ある寺廟や楼閣、庭園などが多くあり、湖に浮かぶ3つの島や人工的に造られた2ヵ所の堤防などが絵画的に眺望を演出しています。これは人々がより一層美しい景観を求めて、自然の姿に「改良」を重ねてきたことで生み出された文化的景観です。
日本や韓国にも影響を与えた庭園設計
唐代の詩人・白居易(白楽天)が築いた「白堤」と、それに倣って北宋の文豪・蘇軾が建てた「蘇堤」で、桃と柳の木々が交互に植えられた美しい景観を作り出しています。西湖のうち、特に風光明媚な10の名所は「西湖十景」と言われていて、春の蘇堤を指す「蘇堤春暁」、湖面に蓮が浮かぶ「曲院風荷」、仲秋の名月を望む「平湖秋月」などがあります。西湖の名声は後代の王朝だけでなく、日本や朝鮮の庭園設計にも大きな影響を与えました。江戸時代初期、水戸徳川家初代藩主徳川頼房と、2代光圀によって完成した小石川後楽園はその一例で、西湖の堤を実現したものです。
アクセス
杭州蕭山国際空港の「蕭山国際機場駅」から地下鉄7号線で「呉山広場駅」まで40~50分。駅から西湖までは徒歩で10~15分。
執筆協力者PROFILE
大阪府出身。大学卒業後電気機器メーカーに入社、2015年退職。在職時代世界遺産に興味を持ち、2010年世界遺産検定マイスター資格取得、以降世界遺産アカデミー認定講師として、大学、自治体、カルチャー教室等で世界遺産講座や世界遺産検定対策講座など多数実施中。
アクセス
杭州蕭山国際空港の「蕭山国際機場駅」から地下鉄7号線で「呉山広場駅」まで40~50分。駅から西湖までは徒歩で10~15分。
執筆協力者PROFILE
大阪府出身。大学卒業後電気機器メーカーに入社、2015年退職。在職時代世界遺産に興味を持ち、2010年世界遺産検定マイスター資格取得、以降世界遺産アカデミー認定講師として、大学、自治体、カルチャー教室等で世界遺産講座や世界遺産検定対策講座など多数実施中。
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