about
スペイン植民地時代の面影を色濃く残す旧市街
この地にスペイン人が入ってきたのは、1492年のコロンブスのキューバ上陸の頃です。彼は約40日間に渡りキューバを探検しましたが、彼は亡くなるまでこの地をアジアと思っていました。その後、この地はアジアではなく一つの島であることが判明し、1511年、ディエゴ・ベラスケスがキューバを征服してからは、キューバに居住区が次々と建設されていきます。しかし、16世紀まではまだまだ街といえるほどのものではなく、街が発展していくのは17世紀に入ってからです。徐々に発展し、バロック様式とイスラームの要素を取り入れたスペインのムデハル様式が合体したスペイン・バロック様式が採用されていき、後述する要塞と合わせて、ヨーロッパの世界観を醸し出す市街が形成されていくのです。
「三角貿易」で富を得た街
キューバでは、砂糖とたばこが栽培できるのですが、ヨーロッパの膨大な需要を理由に、その生産量は急激に伸びていきます。その生産を支える労働力として、アフリカから数多くの黒人奴隷が輸入されました。その結果、スペインはキューバを新大陸を交えた「三角貿易」の最重要拠点とみなして、貿易を活発に行っていくのです。その富はハバナの市街の発展にも影響し、壮麗な聖堂や富裕商人の邸宅などがつくられていきます。一方でこの富の大きさに気づいた他のヨーロッパ諸国は、この地域を奪おうとやってきます。またカリブ海には海賊もいたため、これらの脅威から街を守るために要塞が次々と造られました。それらの要塞は、イギリス人の海賊ヘンリー・モーガンが襲撃を断念したことからも、非常に堅固なものであったということがわかります。
アクセス
ホセ・マルティ国際空港から市内まで車で約40分。
執筆協力者PROFILE
世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。
Details
ハバナ大聖堂
Catedral de la Virgen María de la Concepción Inmaculada de La Habana
サンフランシスコ・デ・アシス広場
Plaza de San Francisco de Asís
レアル・フエルサ城
Castillo de la Real Fuerza
モロ城
Castillo de los Tres Reyes del Morro
アクセス
ホセ・マルティ国際空港から市内まで車で約40分。
執筆協力者PROFILE
世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。
Similar Heritage
特徴が似た遺産を探す