ハワイ火山国立公園
ハワイの火山は噴火回数は多いが、規模は小さく溶岩の粘性が低いため、予想・観測しやすい

遺産DATA

地域 : 北米 保有国 : アメリカ合衆国 所在地 : Hawaiʻi Island, State of Hawaii 分類 : 自然遺産 登録年 : 1987年 登録基準 : (viii) 遺産の面積 : 879.4㎢ 座標 : N19 24 3 W155 7 25

about

なだらかな稜線を描くマウナ・ロア山

ハワイ島南東部に位置するハワイ火山国立公園には、固まった溶岩でできた荒野や吹き上がる硫黄の蒸気など、火山地帯ならではの光景が広がっています。国立公園内にあるマウナ・ロア山は、ハワイ語で「長い山」を意味する名前の通り、海底部分にまですそ野が広がる世界最大の活火山です。楯状火山で、溶岩の粘度が非常に低いため、なだらかな稜線を描いています。1984年までは数年に一度の頻度で噴火を繰り返し、直近では2022年11月に噴火しました。

現在も活発な活動を続けるキラウエア山

マウナ・ロアの東にある標高約1,250mのキラウエア山は、世界で最も活発な火山と言われています。1983年以降、断続的な噴火が観測されており、2018年の噴火時には溶岩が住宅地まで流れ込んだため、2,000人以上が避難しました。また、2023年にはハレマウマウ火口で3度の噴火が発生しています。ネイティブ・ハワイアンにとって、この国立公園の土地は神が宿る神聖な場所であり、女神ペレホヌアメア(ペレ)はキラウエア山頂のハレマウマウ火口に住んでいると信じられています。

アクセス

コナ国際空港からハワイ火山国立公園まで、11号線(ママラホア・ハイウエイ)を経由して2時間〜2時間30分。ヒロ国際空港からは45〜55分。

執筆協力者PROFILE

市川 賢司
市川 賢司
アレセイア湘南高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。

Details

マウナ・ロア山

マウナ・ロア山

Mauna Loa

マウナ・ロア山は現在噴火を目にすることができる火山の中で、最も大きな火山である。海上に出ている部分だけでも標高は4,170mあり、海底から測ると1万m以上の高さを誇る。体積は1万㎦を超え、ハワイ島の面積のおよそ半分を占めている。
カウ砂漠

カウ砂漠

Ka‘ū Desert

キラウエア火山の南西部に広がる特異な砂漠。年間降水量は1,000㎜を超えるが、この雨には火山から放出される二酸化硫黄が含まれており、土壌は酸性で植物の生育には適さない。火山噴出物は透水性が高く、地下水が保持されることもないため、乾燥した状態が保たれている。
ハレマウマウ火口

ハレマウマウ火口

Halemaumau Crater

キラウエア火山の巨大なカルデラ内にある火口。現在も火山活動は続いており、地中からは常に噴煙が立ち上っている。ハワイ神話に登場する女神ペレホヌアメア(ペレ)の住まう場所と信じられており、火口にレイや供物を捧げる人々の姿が絶えない。
プウ・オオ火口

プウ・オオ火口

Pu'u'ō'ō

キラウエア火山の東部にある火口で、1983年に始まった噴火で誕生した火口。以来、2018年までの35年間にわたって断続的に噴火を続けてきた。火口から流れ出た溶岩は太平洋にまで達した。2018年の噴火で火口は大きく陥没し、現在は活動を停止している。

遺産DATA

地域 : 北米
所在地 : Hawaiʻi Island, State of Hawaii
分類 : 自然遺産
登録年 : 1987年
登録基準 : (viii)
遺産の面積 : 879.4㎢
座標 :N19 24 3 W155 7 25

アクセス

コナ国際空港からハワイ火山国立公園まで、11号線(ママラホア・ハイウエイ)を経由して2時間〜2時間30分。ヒロ国際空港からは45〜55分。

執筆協力者PROFILE

市川 賢司
市川 賢司
アレセイア湘南高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。