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旅人や商人らが残した岩絵や碑文
「ヒマーの文化地域」はサウジアラビア南西部、イエメン国境に近いナジュラーン州にあり、この山岳地帯に残る岩絵や岩壁碑文は7,000年にわたる文化の一面を記録するものです。ナジュラーンは、かつて乳香や没薬など香料交易の中心地でした。貴重な水源を有していたヒマーには、アラビア南部とメソポタミア、レバント、エジプトを結ぶ隊商路が通っていました。この地を往来した旅人や商人、軍隊は、膨大な岩絵や碑文などを残しました。岩絵には、狩りの様子や野生動物、植物、道具など当時の生活をしのばせるものが描かれており、碑文からは、ムスナド文字やタムード文字、アラム・ナバテア文字、ギリシャ文字などの多様な言葉が確認されています。
今も真水を湛える「ビール・ヒマー」の井戸
構成資産の1つである「ビール・ヒマー」の井戸の起源は、3,000年前にまで遡ることができます。ナジュラーンの砂漠地帯において、この井戸は隊商路を行き交う人々にとって生命線のようなものでしたが、現在もなお真水を湛えています。本遺産を構成する6つの構成資産をあわせると、岩絵の数は、推定10万点以上ともされています。これら膨大な数の岩絵や碑文は、このエリアを通った人々が、自らの足跡や生活環境を記したものだと言えるでしょう。それらを通して、氷河期後の気候や、人々が環境の変化に適応していった様子を伺い知ることもできます。ヒマーの文化地域は、先史時代から有史時代に至るまで、アラビア半島の歩みを今に伝える巨大な〝岩の図書館〟とも呼べる存在です。
アクセス
サウジアラビアの首都リヤドやジッダから国内線でナジュラーンへ。ナジュラーン市街から岩絵や井戸のあるエリアへは約100㎞から約120㎞あり、レンタカーなどで約1時間半。
執筆協力者PROFILE
北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。
アクセス
サウジアラビアの首都リヤドやジッダから国内線でナジュラーンへ。ナジュラーン市街から岩絵や井戸のあるエリアへは約100㎞から約120㎞あり、レンタカーなどで約1時間半。
執筆協力者PROFILE
北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。
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