水原の華城
華虹門の別名がある北水門。7つのアーチをくぐって水が流れ、その美しい光景も人気

遺産DATA

地域 : 東・東南アジア 保有国 : 大韓民国 分類 : 文化遺産 登録年 : 1997年 登録基準 : (ii) (iii) 座標 : N37 16 19.992 E127 0 30

about

東西の軍事建築技術を取り入れた華城

18世紀末、朝鮮王朝の第22代王・正祖は、父の荘献世子の墓を水原郊外の華山に移すために強力な防御施設を備えた華城を築きました。周囲約6km、高さ約7mの石造りの城壁には4つの主要な門があり、他にも見張り塔、弓射塔、楼塔、稜堡などの設備があります。城壁内には王の臨時の宿である行宮もつくられました。戦争や洪水によって、水門、見張り塔などの7つの建造物が失われたものの、その壮大な都城は水原のシンボルになっています。このように、当時の有力な軍事技術者のもとで建造された華城は、ヨーロッパと東アジアの最新の技術を結集させた18 世紀の軍事建築の傑作ともいえます。

日本軍の占領と朝鮮戦争

華城は、第二次世界大戦中の日本軍の占領や朝鮮戦争により、長安門と昌龍門が破壊され、城壁の一部も取り壊されるなど大きな被害を受けました。しかし、幸いにも『華城城役儀軌』という城築に関する詳細な記録が残されており、これを基に1964年以降復元・修復が行われました。復元工事は、建設当時の工法や部材を使用し、できる限りオリジナルの姿を再現することを目指しました。この結果、復元された華城はその真正性が認められ、世界遺産に登録されました。

アクセス

ソウル市内から水原駅まで地下鉄で約1時間、水原駅から水原華城までバスで約20分。

執筆協力者PROFILE

KANAE
KANAE
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。

遺産DATA

保有国 : 大韓民国
分類 : 文化遺産
登録年 : 1997年
登録基準 : (ii) (iii)
座標 :N37 16 19.992 E127 0 30

アクセス

ソウル市内から水原駅まで地下鉄で約1時間、水原駅から水原華城までバスで約20分。

執筆協力者PROFILE

KANAE
KANAE
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。