about
イビサの海にしか生息しない海草
地中海西部のバレアレス諸島に位置し、現在ではリゾート地としても知られるイビサ島は、固有の生物と歴史的建造物が共存する複合遺産です。特に「ポシドニア・オセアニカ」と呼ばれる海草は、地中海沿岸にのみ分布する固有種であり、その中でもイビサ島周辺のものは最も良好な保存状態にあるとされています。この海草草原は、絶滅危惧種を含む多様な海洋生物の産卵・生育の場として重要であり、また、海岸を嵐から守る天然の防波堤としても機能しています。さらに、1ヘクタールあたり年間21トンのバイオマスを生産するなど、生物生産性も非常に高く、熱帯雨林に匹敵します。
2,500年以上の歴史を持つ旧市街
イビサ島は古代から多くの文明の影響を受けてきました。フェニキア人が紀元前8〜7世紀に築いた「サ・カレタの集落跡」や、カルタゴ、ローマ、イスラム時代の葬送儀礼を反映した5,000以上の墓が残る「プッチ・デ・モリンス墓地」などがその証です。また、2500年以上の歴史をもつ「ダルト・ビラ(Dalt Vila)」と呼ばれる旧市街は、イビサ島の最も古い地区であり、古代フェニキア時代からの都市構造が層状に残る貴重な遺構です。16世紀には、イタリア人軍事建築家ジョヴァンニ・バッティスタ・カルヴィとジャコボ・パレアッツォ・フラティンによって設計されたルネサンス様式の要塞が築かれ、その構造は新大陸のスペイン植民地における要塞建築にも大きな影響を与えました。現在も、迷路のような街路やアラブ風の街並み、初期の城壁などが良好に保存されています。
アクセス
マドリードから飛行機(直行便)で約1時間15分。バルセロナから飛行機(直行便)で約50分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
アクセス
マドリードから飛行機(直行便)で約1時間15分。バルセロナから飛行機(直行便)で約50分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
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