イグアス国立公園(アルゼンチン)
アルゼンチンとブラジルの両国がそれぞれ別々に世界遺産に登録している

遺産DATA

地域 : 南米 保有国 : アルゼンチン共和国 所在地 : Province: Misiones - Region: Nord-Est 分類 : 自然遺産 登録年 : 1984年 登録基準 : (vii) (x) 遺産の面積 : 550㎢ 座標 : S25 34 38.485 W54 17 9.9

about

登録面積はブラジル、滝の迫力はアルゼンチン

アルゼンチンとブラジルの国境を流れるイグアス川の沿岸に広がるイグアス国立公園は、イグアスの滝を中心とする広大な熱帯雨林地帯です。1984年にアルゼンチン側550㎢が、1986年にブラジル側1,700㎢がそれぞれ別の世界遺産として登録されました。登録面積は圧倒的にブラジル側が広いものの、滝の8割はアルゼンチン側に存在しています。

先住民が“巨大な水”と呼んだ滝の絶景

イグアスの滝とは大小275の滝の総称で、全体の幅は2,700m以上、最大落差は80mで世界最大の水量を誇ります。イグアスとは先住民グアラニ人の言葉で「巨大な水」を意味し、雨季には毎秒6万5,000tにも及ぶ水が流れ落ちることもあります。なかでも馬蹄形の最奥部にある滝は、常に轟音をたてていることから「ガルガンタ・デル・ディアブロ(悪魔ののど笛)」と呼ばれています。

希少な動植物や絶滅危惧種が息づく命の楽園

公園内には、約2,000種の植物、400種以上の鳥類、80種以上の哺乳類が生息しており、なかにはジャガーやオセロット、ピューマなどの哺乳類、オウギワシ、オオカワウソ、カオグロナキシャクケイなどの絶滅危惧種も暮らしています。滝から立ち上る水しぶきは、これらの種の保護と生態系の維持に重要な役割を果たしています。

アクセス

アルゼンチン側はプエルト・イグアス、ブラジル側はフォス・ド・イグアスが拠点。いずれも20~40分ほど

執筆協力者PROFILE

たまやん
たまやん
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。

Details

オセロット

オセロット

Ocelot

中型のネコ科動物。体長は約55〜100cm、尾を含めると最大1.5mに達し、美しい斑点模様が特徴。夜行性で単独行動を好み、主に小型哺乳類や鳥類を捕食する。泳ぎや木登りも得意。
ジャガー

ジャガー

Jaguar

体長は約1.1〜1.8m、体重はオスで最大120kgに達する。単独性で、主に夜行性。水辺での狩りを得意とし、魚やカメ、ワニなどを強力な顎を使い、獲物の頭蓋骨を貫通させる独特の捕食方法が特徴。
ホエザル

ホエザル

Howler monkey

体長は約60〜70cm、尾は物を掴むのに適しており尾を含めると約1.5mに達する。群れで生活する昼行性でその名の通り、力強い「ホエー」という鳴き声で知られ、声は数キロ先まで届くこともある。
カオグロナキシャクケイ

カオグロナキシャクケイ

Black-fronted piping guan

ホウカンチョウ科に属する鳥。体長は約70〜80cmで、特徴的な黒い顔と赤い喉が印象的。果物や種子を主食とし、森林の種子散布に重要な役割を果たしている。

遺産DATA

地域 : 南米
所在地 : Province: Misiones - Region: Nord-Est
分類 : 自然遺産
登録年 : 1984年
登録基準 : (vii) (x)
遺産の面積 : 550㎢
座標 :S25 34 38.485 W54 17 9.9

アクセス

アルゼンチン側はプエルト・イグアス、ブラジル側はフォス・ド・イグアスが拠点。いずれも20~40分ほど

執筆協力者PROFILE

たまやん
たまやん
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。