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前身は金王朝時代に建造された小規模な離宮
北京の中心部から北西約15kmに位置する頤和園は、敷地総面積約290万㎡を誇り、中国に現存する最大かつ最後に建造された皇室庭園です。12世紀半ばに、金王朝時代に建造された小規模な離宮を前身とし、1750年に清の乾隆帝が広大な庭園へと整備して清漪園(せいいえん)と名付けられました。中国の名だたる庭園や名景、有名建築の精華を取り入れたものとなりました。自然景観を模倣した庭園は、建物や楼閣、橋などと見事に調和し、中国だけでなく、日本や朝鮮半島の庭園にも大きな影響を及ぼしました。第二次アヘン戦争で北京に侵攻した英仏連合軍により庭園は破壊されてしまいますが、その30年後の1886年、西太后が海軍の経費を流用して復元し、頤和園と改称しました。
行政、生活、遊覧の三区画に分かれた園内
園内は行政、生活、遊覧の三区画に分かれています。敷地の大半は遊覧区域で、景勝地として有名な杭州の西湖を模した人造湖の昆明湖や、高さ約60mの人造山である万寿山があります。昆明湖には、雨ごいの儀式を行うための竜王廟が築かれた小島があり、十七孔橋で陸地と結ばれています。万寿山の周辺には、昆明湖畔の排雲門から、排雲殿、高さ約40mの八角形の仏香閣、山頂にある仏教施設の智慧海まで、大規模な建築物がほぼ一直線に配置されています。「後山」と呼ばれる万寿山北側には、チベット仏教の寺院を模した四大部洲や、蘇州の街を再現し乾隆帝が宦官たちと「買い物ごっこ」を楽しんだという蘇州街があります。西太后と光緒帝の執務室となった仁寿殿、宴を催すための徳和園など、清朝の再興を夢見た西太后が、莫大な予算を投じて建築した華麗な建築物が残っています。
アクセス
北京市内からタクシーで約30分。地下鉄利用の場合は北京地下鉄4号線「北宮門駅」または「西苑駅」で下車。
執筆協力者PROFILE
大阪府出身。大学卒業後電気機器メーカーに入社、2015年退職。在職時代世界遺産に興味を持ち、2010年世界遺産検定マイスター資格取得、以降世界遺産アカデミー認定講師として、大学、自治体、カルチャー教室等で世界遺産講座や世界遺産検定対策講座など多数実施中。
アクセス
北京市内からタクシーで約30分。地下鉄利用の場合は北京地下鉄4号線「北宮門駅」または「西苑駅」で下車。
執筆協力者PROFILE
大阪府出身。大学卒業後電気機器メーカーに入社、2015年退職。在職時代世界遺産に興味を持ち、2010年世界遺産検定マイスター資格取得、以降世界遺産アカデミー認定講師として、大学、自治体、カルチャー教室等で世界遺産講座や世界遺産検定対策講座など多数実施中。
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