独立記念館
アメリカに根差す自由と民主主義の原則が採択・署名された場所

遺産DATA

地域 : 北米 保有国 : アメリカ合衆国 所在地 : Philadelphia, Commonwealth of Pennsylvania 分類 : 文化遺産 登録年 : 1979年 登録基準 : (vi) 遺産の面積 : 0.02㎢ 座標 : N39 56 55 W75 9 0

about

独立宣言が採択され合衆国憲法が承認された建物

「独立記念館」は、アメリカ北東部ペンシルベニア州南東部に位置するフィラデルフィアにあります。1776年7月4日、この建物においてアメリカ東部の13のイギリス植民地代表による第2回大陸会議が開催され、ヴァージニア代表トマス・ジェファソンが起草した独立宣言が採択されました。アメリカ独立戦争の結果として、1783年のパリ条約によりイギリスはアメリカの独立を承認しました。さらに、1787年にはこの建物で憲法制定会議が開かれ、世界最古の近代的成文憲法であり、現行憲法でもあるアメリカ合衆国憲法が承認されました。1790年から1800年までの10年間、フィラデルフィアはアメリカの首都であり、この期間中、この建物は国会議事堂として使用されました。当時、議員数の少なかった元老院は2階を、多かった代議院は1階を議場として使用しており、これが「上院」「下院」の語源となっています。

赤レンガ造りの2階建ての建物

「独立記念館」は、弁護士アンドリュー・ハミルトンと建築家エドマンド・ウーリーの協力により、ペンシルベニア植民地議会議事堂として設計されました。1732年に着工され、1753年に完成しました。赤レンガ造りの2階建てで、イギリス植民地時代に見られた典型的なイギリス様式の建物です。建物中央部の時計台と、その上にある尖塔を戴いた八角形の鐘楼が特徴的です。独立宣言時にこの鐘楼から打ち鳴らされた鐘は「自由の鐘」と呼ばれ、アメリカ国民の自由の象徴として、独立記念館前のリバティ・ベル・センター内に大切に保管されています。憲法が承認されたアセンブリールームをはじめ、館内には当時のままに家具が配置されており、歴史的雰囲気を今に伝えています。アメリカ独立戦争は史上初の市民革命であり、アメリカ独立宣言はその後の世界における民主主義・自由主義の発展に大きな影響を与えました。このような歴史的意義を有する建物として、「独立記念館」は不朽の価値を持つといえます。

アクセス

地下鉄・マーケット-フランクフォード線の「5th Street駅」から徒歩約2分。

執筆協力者PROFILE

市川 賢司
市川 賢司
アレセイア湘南高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。

遺産DATA

地域 : 北米
所在地 : Philadelphia, Commonwealth of Pennsylvania
分類 : 文化遺産
登録年 : 1979年
登録基準 : (vi)
遺産の面積 : 0.02㎢
座標 :N39 56 55 W75 9 0

アクセス

地下鉄・マーケット-フランクフォード線の「5th Street駅」から徒歩約2分。

執筆協力者PROFILE

市川 賢司
市川 賢司
アレセイア湘南高等学校教諭/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。