ヨルサファナの考古学的遺跡:ヨルサファナの入植地とカシポラ・クリークの墓地
カシポラ・クリーク墓地。1650年代に築かれたユダヤ人入植地の墓地

遺産DATA

地域 : 南米 保有国 : スリナム共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2023年 登録基準 : (iii) 遺産の面積 : 0.248㎢ バッファ・ゾーン : 0.1945㎢ 座標 : N5 25 52 W54 58 57.6(ヨルサファナの入植地)

about

英国やオランダ統治下で認められた特権

スリナム北部、スリナム川沿いの鬱蒼とした森林地帯には、17世紀にイベリア半島の異端審問から逃れてきたユダヤ人(セファルディム)たちが築いた集落遺跡があります。当時のスリナムは英国やオランダの統治下にありましたが、彼らには広範な特権が認められていました。世界遺産になっているのは、1680年代につくられたヨルサファナの入植地と、1650年代に建設されたカシポラ・クリーク旧入植地跡にある墓地です。先住民の領土内にあったそれらの入植地は、当時世界で唯一の「ユダヤ人が所有し、統治し、居住した」場所であり、アフリカ系の奴隷や自由民の人たちも共に生活していました。

アメリカ大陸で建築学的に重要なシナゴーグの遺構

ヨルサファナの入植地には、アメリカ大陸で建築学的に重要とされる、最古級のシナゴーグ「ベラハ・ヴェシャローム」の遺構が残っています。それは、ヨーロッパから運ばれてきたレンガが使用され、オランダの伝統的スタイルで建造されたものでした。ほかにも入植地と川を繋いでいた船着き場、軍事基地、砂採掘場などの跡も含まれています。一方、カシポラ・クリークの墓地に残る墓石には、ヘブライ語、ポルトガル語、スペイン語、オランダ語、アラム語、そしてそれらの言語を組み合わせた碑文が刻まれています。

一時は世界最大のユダヤ人農業地域に

18世紀初頭までにスリナムに暮らすユダヤ人の多くは、ヨルサファナとその周辺のプランテーションに集中していました。彼らはこの地域を世界最大のユダヤ人農業地域へと発展させました。全盛期には、1,500人のユダヤ人が居住していたそうです。この数は、当時のアメリカ大陸全土におけるユダヤ人口の25%にあたります。しかし、プランテーション経済の停滞やマローン(逃亡奴隷)の襲撃などを受けて衰退し、18世紀後半になるとコミュニティの中心地は首都パラマリボへと移りました。

アクセス

首都パラマリボから日帰りツアーが出ている。バスのほか、スピードボートでの送迎もある。

執筆協力者PROFILE

記者(フリーランス)/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。

遺産DATA

地域 : 南米
分類 : 文化遺産
登録年 : 2023年
登録基準 : (iii)
遺産の面積 : 0.248㎢
バッファ・ゾーン : 0.1945㎢
座標 :N5 25 52 W54 58 57.6(ヨルサファナの入植地)

アクセス

首都パラマリボから日帰りツアーが出ている。バスのほか、スピードボートでの送迎もある。

執筆協力者PROFILE

記者(フリーランス)/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。