about
守られてきた宗廟の儒教儀礼
宗廟(チョンミョ)は朝鮮王朝の歴代国王と王妃の位牌を祀る霊廟です。14世紀後半に太祖李成桂によって建立されました。儒教に基づく王族の霊廟としては最も古く、格式の高い建築物のひとつとして知られています。16世紀末の豊臣秀吉による壬辰倭乱(文禄・慶長の役) では一度破壊されてしまいますが、その後再建され、以降も増築を重ねながら現在に至っています。正殿や永寧殿、功臣堂、公明堂など多くの建物が整然と並び、王室の正統性と祖先崇拝の思想を体現しています。建築様式は中国の伝統を受け継ぎつつも、朝鮮王朝の理念が反映されており、儒教的価値観と王室文化が融合した独自の空間を創り上げています。
現在も継承される宗廟祭礼
宗廟には15世紀から伝わる「宗廟祭礼(チョンミョ・チェレ)」という伝統行事があり、現在も毎年一度行われています。李王家の末裔たちが伝統的な民族衣装をまとい、祖先の霊を拝し、歴代王の功績を讃える儀式です。音楽や舞踊とともに進行するこの祭礼は、ユネスコの無形文化遺産にも登録されており、朝鮮の精神文化の核心を伝える行事として国内外から高い関心を集めています。また、祭礼だけでなく宗廟の管理、運営に関する記録は王室儀礼書に詳細に記されており、現在もその伝統が厳格に守られています。
アクセス
ソウル市内「鐘路3街駅」から宗廟まで徒歩4分
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
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ソウル市内「鐘路3街駅」から宗廟まで徒歩4分
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
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