ユングフラウ-アレッチュのスイス・アルプス
左からアイガー、メンヒ、ユングフラウ。アルプスの氷河は後退現象が確認されており、年々縮小している

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : スイス連邦 分類 : 自然遺産 登録年 : 2001年 範囲拡大年 : 2007年 登録基準 : (vii) (viii) (ix) 遺産の面積 : 824㎢ 座標 : N46 30 0 E8 1 60

about

芸術家たちのインスピレーションの源となった風景

『ユングフラウ-アレッチュのスイス・アルプス』は、アルプス有数の氷河地帯であり、ヨーロッパの中でも広大な氷河が特徴です。スイス南西部に広がるアルプス山脈北部ベルナー・アルプスにそびえる、ユングフラウ山を中心としたエリアには、標高4,000m級の山々が連なります。ユングフラウ、アイガー、メンヒなどの名峰がそびえるこの一帯には、アレッチュ氷河など手つかずの自然が多く残されています。山並みが織りなす風景は、古来多くの芸術家たちにインスピレーションを与え、数々の文学や美術の題材として取り上げられました。

アルプス最大の氷河「アレッチュ」と植物遷移

ユングフラウなどのアルプスの山々が形成されたのは、4,000万~2,000万年前のこととされています。アフリカ大陸プレートが北へ移動したことで大地が圧縮され、長い年月とともに隆起(褶曲活動)していきました。氷河期が到来すると、山肌は氷河によって侵食され、切り立った断崖が形成されました。特にアルプス最大の氷河であるアレッチュ氷河周辺では、U字谷をはじめとする氷河地形の典型を見ることができます。一帯では多くの哺乳類や鳥類のほかヨーロッパカラマツやトウヒ、ブナなどの高山帯から亜高山帯を代表する植物が生育しており、最終氷期後の氷河後退にともなう植生の遷移が見られるのもこの地の特徴です。近年はアルプスの氷河は年々縮小しており、その原因は特定されていないものの地球温暖化をはじめとする気候変動の影響が指摘されています。

アクセス

「グリンデルワルト駅」から「ユングフラウヨッホ駅」まで列車で約1時間35分。

執筆協力者PROFILE

ミド
ミド
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。

Details

アレッチュ氷河

アレッチュ氷河

Aletsch Glacier

標高約3,800mに位置する、全長23km、最大氷厚900m以上を誇るアルプス最大の氷河。周辺では侵食作用によるU字谷、圏谷、モレーンなどの氷河地形の典型を多く見ることができる。
ユングフラウ

ユングフラウ

Jungfrau

「若き乙女」という意味をもつアルプス山脈を代表する名峰。ユングフラウとメンヒを結ぶ稜線の鞍部にはユングフラウヨッホがあり、ヨーロッパ最高地点の鉄道駅(3,454m)があり隣接する展望台からアレッチュ氷河を見ることができる。
メンヒ

メンヒ

Mönch

標高4,000mを超えるアルプスの名峰。メンヒとユングフラウの山頂は、若い堆積性石灰岩の上に押し上げられた結晶質岩の核で構成されている。
アイガー

アイガー

Eiger

ユングフラウ、メンヒと共に三名山のひとつに数えられる。ユングフラウやメンヒとは対照的にほとんどが石灰岩で形成されている。

遺産DATA

保有国 : スイス連邦
分類 : 自然遺産
登録年 : 2001年
範囲拡大年 : 2007年
登録基準 : (vii) (viii) (ix)
遺産の面積 : 824㎢
座標 :N46 30 0 E8 1 60

アクセス

「グリンデルワルト駅」から「ユングフラウヨッホ駅」まで列車で約1時間35分。

執筆協力者PROFILE

ミド
ミド
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。