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ガンダ族の王国の王墓群で人々の精神的なよりどころ
首都カンパラの北西3kmにある「カスビの丘」に、ブガンダ王国の王墓群があります。ブガンダ王国は農耕民族ガンダ族主体の王国で13世紀頃建国され、ヴィクトリア湖の北西岸で発展し、19世紀に隆盛を極めました。20世紀に湖の地が「ウガンダ」として英国より独立した際も王国として存続しましたが、その後王制は廃されました。ここはいまでもガンダ族の人々の精神的なよりどころとなっています。なお、現在の国名の「ウガンダ」は、スワヒリ語で「ブガンダ」を意味します。
藁や葦でつくられた茅葺きのドームを持つ王墓
元は1882年に建てられた王(カバカ)の王宮がありましたが、王が没した後そのまま彼の墓所となり、その後の歴代の王もこの地域に葬られたため「王家の墓所」となりました。中心にある主墓ムジブ・アザーラ・ムパンガは円錐形の茅葺き屋根のドームを持つ建物で、他にも王墓があり(計4基)、最後の王ムテサ2世(ウガンダの初代大統領)までの歴代王が葬られています。木や藁、葦、石灰などで造られた建築技法も優れていますが、王墓にまつわる信仰や精神性などの無形のものにも重要な価値があります。
不審火で焼失し「危機遺産」に指定
ムジブ・アザーラ・ムパンガは2010年3月に原因不明の火災により焼失しました。現地の人々の間では政府内部の権力争いに起因して放火されたという話もあります。この火災により、その年に危機遺産リストに記載されました。その後、ウガンダ当局の主導の下、日本やノルウェーなどの支援を受け修復・再建され、2023年に危機遺産リストから脱することができました。再建に際しては高度な消火システムが導入されたほか、地元住民の消防ボランティアの育成が進められ、再発防止対策が講じられました。
アクセス
首都カンパラの中心部から車で約20分。
執筆協力者PROFILE
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
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首都カンパラの中心部から車で約20分。
執筆協力者PROFILE
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
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