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貴重な生物の命の源となる3つの湖沼群
ケニア西部、大地溝帯にあるボゴリア湖、ナクル湖、エレメンタイタ湖の湖沼群は、比較的浅いアルカリ塩湖が地下でつながって広がっています。世界遺産にはこれら3つの湖を中心とする国立公園がそれぞれ登録されています。ボゴリア湖国立保護区のボゴリア湖は、最大14mの水深をもち、豊富に生育している藻類がフラミンゴのエサとなっています。湖の周辺は地熱活動が活発で、アフリカで最も多くの間欠泉が集中する地域のひとつとなっているほか、アカシアやイチジクなどが優占する有刺灌木が広がっています。ナクル湖国立公園内のナクル湖は、水深3m以下の浅いアルカリ湖で、周囲には森林や草地が広がっています。エレメンタイタ湖は3つの湖の中で最も小さく、ナクル湖同様に水深の浅いアルカリ性の塩湖です。保護区にはロスチャイルドキリンが150頭ほど生息しています。
13種の絶滅危惧種と100種以上の渡り鳥が飛来する場所
比較的狭い地域にも関わらず、一帯は世界有数の鳥類の多様性を誇っています。さらに、この湖沼群だけでも13種の絶滅危惧種が生息し、100種以上の渡り鳥も飛来してきます。特にコフラミンゴにとっては重要なエサ場であり、年間を通して最大400万羽が3つの湖を往来しています。また、モモイロペリカンの営巣や繁殖の拠点ともなっています。3つの湖周辺はいずれもラムサール条約登録湿地であり、重要野鳥生息地(IBA)にも選定されています。そのほか、クロサイやロスチャイルドキリン、ライオン、チーター、リカオンなどの希少な哺乳類が相当数生息しており、一帯は野生動物の生態学的プロセスを研究する上で貴重な場所となっています。
アクセス
首都ナイロビから最寄り街のナクル市までタクシーまたは車で約2時間40分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
アクセス
首都ナイロビから最寄り街のナクル市までタクシーまたは車で約2時間40分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
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