about
ヤイラクとキシュラク、そしてこれらを結ぶカッチ・ヨル
キナリグ人の文化的景観と移牧の道「カッチ・ヨル」は、アゼルバイジャン北部の大コーカサス山脈に位置するキナリグ村と、夏営地(ヤイラク)および段々畑、さらにアゼルバイジャン中部の低地平野にある冬営地(キシュラク)、そしてそれらを結ぶ200kmに及ぶ季節的な移牧ルート「カッチ・ヨル」から成る、連続した文化的景観です。標高約2,200mのキナリグ村は、半農半牧生活を営むキナリグ人の故郷であり、彼らの文化と生活様式は、ヤイラクとキシュラク間の季節的な垂直移動によって特徴づけられています。キナリグ人は、古代から伝わる長距離の移牧の方法を現在も受け継いでいます。
数千年にわたって受け継がれてきた遊牧畜文化
キナリグ人は年に2回、ヤイラクとキシュラクの間を移動します。1年のうち約4ヵ月間は大コーカサス山脈の高山および亜高山帯の牧草地で、残りの約8ヵ月間はアゼルバイジャン中部の低地平野にある牧草地で生活しています。彼らはヤイラクでは移動式住居(アラチク)で、キシュラクでは牧場(ヤタク)で暮らしています。毎年春と秋の年2回、15〜20日間にわたり、1万人以上の人々と30万頭以上の家畜が200kmの移動ルートに沿って移動します。その道中には、羊飼いたちの墓地や聖堂、モスクなどが残されており、移牧の伝統が古代から続いてきたことを物語っています。数千年にわたり受け継がれてきた遊牧畜文化は、キナリグ人のコミュニティ全体の文化圏を形成してきました。
アクセス
アゼルバイジャンの首都バクーからグバまでバスで2〜2時間30分、そこからキナリグ村までは、タクシーで約1時間30分〜2時間。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
アクセス
アゼルバイジャンの首都バクーからグバまでバスで2〜2時間30分、そこからキナリグ村までは、タクシーで約1時間30分〜2時間。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
Similar Heritage
特徴が似た遺産を探す