古代ホタールの文化遺産群
7~8世紀の仏教僧院遺跡である「アジナテパ」。1961年から発掘調査が始まり、涅槃像が発見された(ⒸPrince Roy/Wikimedia Commons/CC BY 2.0

遺産DATA

地域 : 西・南アジア 保有国 : タジキスタン共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2025年 登録基準 : (ii) (iii) 遺産の面積 : 1.52409㎢ バッファ・ゾーン : 4.088769㎢ 座標 : N37 47 53.04 E68 51 15.97

about

交易と文化の要衝

タジキスタン南部のハトロン州に広がる『古代ホタールの文化遺産群』は、7世紀から16世紀にかけてシルクロードの要衝として栄えた歴史的地域で、古代バクトリアの一部であり、中世にはトハリスタンとも呼ばれていました。ここでは灌漑技術の発展と衰退が文化景観を左右し、移住や経済の変化、多様な民族の交流が織りなされました。塩・金・銀・馬などの交易を通じて文化・技術・宗教の往来が盛んに行われ、政治的にも経済的にも重要な役割を果たしました。その中心にあったのが10〜11世紀に築かれたカライ・フルブク宮殿で、堅固な城壁や煉瓦装飾、クーフィー体銘文を備えた宮殿です。さらに浴場やモスク、水道なども確認されており、それらは高度な都市計画を物語ります。世界遺産としては仏教寺院、宮殿、集落、製造施設、隊商宿など11件の遺跡が含まれ、古代から中世にかけてのこの地の政治・経済・文化の重要性を示す貴重な証拠となっています。

アクセス

首都ドゥシャンベから古代ホタールの文化遺産群まで車やバスで約2時間30分。

執筆協力者PROFILE

KANAE
KANAE
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。

遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 2025年
登録基準 : (ii) (iii)
遺産の面積 : 1.52409㎢
バッファ・ゾーン : 4.088769㎢
座標 :N37 47 53.04 E68 51 15.97

アクセス

首都ドゥシャンベから古代ホタールの文化遺産群まで車やバスで約2時間30分。

執筆協力者PROFILE

KANAE
KANAE
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。