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天幕の形に似た多角錐の屋根の教会
ヴォズネセーニエ教会(昇天教会)は1532年、のちに「雷帝」と呼ばれたイワン4世の誕生を祝うため、モスクワ市近郊のコローメンスコエの皇帝領地に建てられました。ここはモスクワ川の氾濫原へと続く急斜面の上、モスクワ中心部近くに位置し、現在、一帯は自然保護公園になっていて、16~17世紀の聖堂や礼拝堂、木造建築物がロシア各地から移築されています。この教会は、ギリシャ十字形プランを持つ白い石造りの教会です。ロシア建築における新たな段階を示すものとして、石造としては初めて天幕の形に似た多角錐の屋根を採用しました。特徴的な多角錐の屋根は、小さなココシュニクに縁取られた八角形の基壇から立ち上がり、その基壇自体も段状の大きなココシュニクの基部からせり上がっています。教会の周囲には階段でアクセスできる回廊が巡り、東側の祭壇部には白い石のキボリウムに覆われた「王の席」があります。壁の厚さは2.5〜3メートルと非常に厚く、内部は小さいものの、高さ41メートルの天井が開放感を生み出しています。
ロシア建築史を変えた象徴的存在:昇天教会の影響と美
昇天教会は都市計画上も重要で、周囲の建築や景観を統一し、領地全体の視覚的中心となっています。その美しさと優雅な造形は比類なく、16世紀の厳格な教会建築規範を超えて建てられました。一柱構造は、通常の四本柱に五つのドームを載せる形式とは異なり、むしろ記念碑的な彫刻のようで、ビザンツ、ギリシャ、ローマ、ゴシック、古代ロシアの伝統を融合しています。この昇天教会の様式は17世紀半ばまでロシア各地に広まり、多角錐の屋根を持つ建築様式はロシアの民族的建築伝統を象徴する重要な要素となりました。
アクセス
モスクワ市内から地下鉄2号線(緑色)でコローメンスカヤ駅へ。教会へは駅から10分。
執筆協力者PROFILE
民間企業勤務のサラリーマン。趣味は世界遺産と言語。「リラの僧侶」の名で世界遺産ポッドキャスト「ニュースで読み解く世界遺産」のラジオパーソナリティーを担当。好きな世界遺産はリラの修道院。
アクセス
モスクワ市内から地下鉄2号線(緑色)でコローメンスカヤ駅へ。教会へは駅から10分。
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民間企業勤務のサラリーマン。趣味は世界遺産と言語。「リラの僧侶」の名で世界遺産ポッドキャスト「ニュースで読み解く世界遺産」のラジオパーソナリティーを担当。好きな世界遺産はリラの修道院。
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