about
「ロシア聖堂の母」や「ロシアの知の中心」が残る
9~13世紀にキリスト教圏の東端で栄えたキエフ大公国(キーウ・ルーシ)が首都キーウに残したキリスト教関連の建築物群です。キエフ大公国は10世紀末にギリシャ正教を国教として公認し、ビザンツ様式の教会や修道院が数多く建てられました。キーウの中心部にある聖ソフィア聖堂はキーウ・ルーシ全盛期の11世紀にヤロスラフ賢公によって建設されたキーウ最古の聖堂です。後にロシア各地の聖堂建築に影響を及ぼしたことから、「ロシア聖堂の母」と呼ばれます。郊外の高台に立つキーウ・ペチェルーシク大修道院はやはり11世紀に建設され、宗教・学問・教育の広い分野で中世ロシア有数の「知の中心」でした。13世紀にモンゴル軍により破壊されましたが、19世紀になって再興されました。世界遺産には、ペレストヴォ地域にある救世主聖堂も併せて登録されています。
ウクライナ侵攻による危機
2022年にロシアがウクライナへ侵攻し、首都キーウもミサイル攻撃を受けることとなりました。この事態を受け、ユネスコは2023年の第45回世界遺産委員会で、ここを「危機にさらされている世界遺産(危機遺産)」と指定しました。現在でもロシアの脅威は続いており、2025年6月には、聖ソフィア大聖堂の外壁の一部が損傷するなど、被害が及んでいます。
アクセス
2025年7月時点で、外務省からウクライナ全土に退避勧告が出ており、渡航は困難。
執筆協力者PROFILE
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
Properties
聖ソフィア大聖堂
St. Sophia Cathedral
キーウ・ペチェルーシク大修道院 聖母就寝大聖堂(ウスペンスキー大聖堂)
Dormition Cathedral, Kyiv-Pechersk Lavra
キーウ・ペチェルーシク大修道院 洞窟群
Caves, Kyiv-Pechersk Lavra
ベレストヴォの救世主聖堂
Church of the Saviour at Berestove
アクセス
2025年7月時点で、外務省からウクライナ全土に退避勧告が出ており、渡航は困難。
執筆協力者PROFILE
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
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