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北極圏に広がる複合遺産
スウェーデン北部、北極圏のラップランドは、高い山々、原生林、広大な沼地、美しい湖や川が織りなす壮大な自然景観を有しています。この地域のうち、スウェーデン最北端に位置する4つの国立公園(パディエランタ、サーレク、ストーラ・シェーファレット、ムッドゥス)と2つの国立自然保護区(シャウンニャ、ストゥッバ)、スリチェルマ氷河地帯、チューオルタ渓谷、ラパダーレ・デルタを含む約9,400㎢の地域は、氷河によって形成された自然環境と、そこに暮らすサーメ(ラップ)人の文化が息づく地域として、複合遺産に登録されています。
トナカイとともに暮らすサーメ人文化
約4,000〜5,000年前にラップランドに居住してきたサーメ人は、当初トナカイや魚を獲って生活してきました。約2,000年前からトナカイの家畜化が始まり、16〜17世紀には、季節ごとに居住エリアを移しトナカイの放牧を行う移牧文化が確立されました。夏季は山岳地帯、冬季は東部の針葉樹林で過ごすという季節移動型の生活様式が特徴です。現在サーメ人の大半が職を持ち、定住生活を送っていますが、約200〜250人が3万〜3万5,000頭のトナカイを放牧し、伝統的な移牧生活を続けています。
氷河地形と豊かな生態系が残る手つかずの自然
この地は氷河時代後期まで氷に覆われていたため、U字谷や氷河湖、永久凍土丘(パルサ)といった氷河地形が見られ、手つかずの自然が広がっています。イヌワシやキジ科のヨーロッパオオライチョウ、イタチ科のクズリ、ヘラジカなど、寒冷地に適応した動植物が多く生息・生育しており、特にシャウンニャ自然保護区は、西ヨーロッパ最大級の泥炭地としてラムサール条約湿地にも登録されています。
アクセス
ストックホルムからキルナまで飛行機で90分。キルナから最寄りの都市イェリヴァーレまでバスで約5時間。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
アクセス
ストックホルムからキルナまで飛行機で90分。キルナから最寄りの都市イェリヴァーレまでバスで約5時間。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
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