about
ローマ人が水を巧みに用いた金鉱山
『ラス・メドゥラス』は、スペイン北西部の山岳地帯にあるローマ帝国時代の金の採掘場です。1世紀、ローマ帝国はこの地域で、水力を利用した技術による金鉱脈の開発に着手しました。湧き水、雨、雪解け水を一度大きなダム(貯水池)に集め、そこから長距離にわたって延びる水路が鉱山とつながれていました。ダムの水門を開くと、大量の水が水路に流れ込み、水圧によって鉱山では土砂崩れが発生します。こうすることで露出された大量の金を一気に採取することができました。このような採掘方法は「ルイナ・モンティウム」(山崩し)と呼ばれました。採掘の過程で生じた選鉱屑は数キロにわたって堆積しており、一部では農地として利用されている場所もあります。
荒廃した景観が物語る歴史
長年にわたる考古学的調査により、この周辺には先住民の集落と、ローマ帝国の行政・軍事関係者の住居が多数発見されています。ローマ帝国は2世紀にわたって金鉱脈を開発した後、荒廃した景観を残してこの地から撤退しました。それ以来、この地でほかに産業活動が展開されることはなく、山腹の切り立った採掘現場や選鉱屑の散らばる広大なエリアに、在りし日の古代技術の跡が残されています。
アクセス
マドリード・チャンマルティン駅からポンフェラーダ駅まで、電車で約4時間。ポンフェラーダ駅からバスで約40分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
アクセス
マドリード・チャンマルティン駅からポンフェラーダ駅まで、電車で約4時間。ポンフェラーダ駅からバスで約40分。
執筆協力者PROFILE
広島県出身。平和継承の入口として世界遺産検定を受験。現在は認定講師として大学、専門学校等で講座実施。2021年にポッドキャスト「行きたくなる世界遺産!」(地域情報/トラベル部門最高2位獲得)を開設しパーソナリティを務めつつ世界遺産関連施設で番組イベントを開催。
Similar Heritage
特徴が似た遺産を探す