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「鉄筋コンクリートの父」オーギュスト・ペレによる復興計画
ノルマンディー地方、イギリス海峡に面した都市ル・アーヴルは、第二次世界大戦中に激しい爆撃を受け、壊滅的な被害を受けました。破壊された地域は、当時70歳だったフランスの建築家オーギュスト・ペレ率いるチームの計画に基づき、1945年から1964年にかけて再建されました。旧市街の構造や現存する歴史的建築物の面影を残しつつ、新しい都市計画や建築技術の理念を融合させており、特に6.24mを基準とする碁盤目状の都市計画やプレハブ工法、鉄筋コンクリートの革新的な活用が特徴です。再建された地区は、ル・アーヴルの行政・商業・文化の中心を形成していて、数ある戦後再建都市の中でも、統一性と完全性において際立っています。
2つの軸に沿って再建された街
新しい都市計画は二つの軸に沿って構成されています。ひとつは街の北部を東西に走るフォッシュ通り、もうひとつは街の西側を北西から南東方向に延びるフランソワ1世通りです。フォッシュ通りは戦前のストラスブール大通りの線形を引き継いでおり、海辺のポルト・オセアンから始まり、サン・ロック広場、市庁舎前の広場へと続きます。ポルト・オセアンは、都市と海をつなぐ壮麗な入口で、戦争で破壊された古代の門の理念を受け継いでいます。市庁舎は鉄筋コンクリート造で、全長143m、中央部には高さ70m、18階建ての塔がそびえています。また、ペレの代表作であるサン・ジョゼフ教会は、120mの八角形の塔が特徴的な建物で、数多くのステンドグラスで装飾されています。
均質な都市空間の実現を目指したプロジェクト
ペレのプロジェクトは、全体が同じ設計思想に基づいて構成された均質な都市空間を目指していて、都市スケールでの「総合芸術作品」(ゲザムトクンストヴェルク)を実現しようとするものでした。ル・アーヴルの再建は、戦後行われ都市改造の中でも成功例とされ、世界の都市復興計画に影響を与えました。なお、ペレのチームによる再建地区以外に、戦争前のプランを生かした地区もあります。16世紀のフランソワ1世の治世に、ルネサンス期の計画で設計されたサン・フランソワ地区は、当時の街路に沿って再建されました。また、地元の建築家によって同時期に再建された建造物や、文化会館やレジダンス・ド・フランスなどの1964年以降に建てられた建物も、世界遺産に含まれています。
アクセス
成田・羽田・関空などからパリ・シャルル・ド・ゴール空港へ直行便で移動。パリからル・アーヴルへは、パリ・サンラザール駅(Gare Saint-Lazare)から直通列車でル・アーヴル駅へ。
執筆協力者PROFILE
民間企業勤務のサラリーマン。趣味は世界遺産と言語。「リラの僧侶」の名で世界遺産ポッドキャスト「ニュースで読み解く世界遺産」のラジオパーソナリティーを担当。好きな世界遺産はリラの修道院。
アクセス
成田・羽田・関空などからパリ・シャルル・ド・ゴール空港へ直行便で移動。パリからル・アーヴルへは、パリ・サンラザール駅(Gare Saint-Lazare)から直通列車でル・アーヴル駅へ。
執筆協力者PROFILE
民間企業勤務のサラリーマン。趣味は世界遺産と言語。「リラの僧侶」の名で世界遺産ポッドキャスト「ニュースで読み解く世界遺産」のラジオパーソナリティーを担当。好きな世界遺産はリラの修道院。
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