ロス・グラシアレス国立公園
フィッツ・ロイ山(写真中央)の急峻な岩峰は氷河の侵食によって形成されたもの

遺産DATA

地域 : 南米 保有国 : アルゼンチン共和国 所在地 : Santa Cruz 分類 : 自然遺産 登録年 : 1981年 登録基準 : (vii) (viii) 遺産の面積 : 7269.27㎢ 座標 : S50 0 0 W73 14 58

about

壮大な氷河と湖が織りなす自然の美

ロス・グラシアレス国立公園は、アルゼンチン・パタゴニア地方のサンタクルス州に位置し、面積は約60万ヘクタールに及びます。南パタゴニア氷原から流れ出す47の大氷河が特徴で、最も大きいのがウブサラ氷河、最も動きが活発なのがペリト・モレノ氷河です。これらの氷河は、氷河作用によって形成された湖(アルヘンティーノ湖やビエドマ湖など)に氷山を放出し、訪れる人々に壮大な自然の景観を提供しています。そのほか氷河の侵食作用によって生まれたモレーン(氷堆石)などの地形も広がっています。

多様な生態系と希少な動植物の宝庫

ロス・グラシアレス国立公園は、亜南極の森林から乾燥したパタゴニアステップ地帯まで、多様な生態系を有しています。特に、絶滅危惧種であるウエムル(南アンデスの小型シカ)や、アンドスコンドル、アンデスネコが生息しています。また、氷河周辺の高山植物や森林の多様性も注目され、自然保護の重要性が高まっています。

アクセス

エル・カラファテを拠点にツアーに参加するのが一般的。街から国立公園へはツアーバスで約1時間半。

執筆協力者PROFILE

たまやん
たまやん
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。

Details

ペリト・モレノ氷河

ペリト・モレノ氷河

Perito Moreno Glacier

全長約30km、幅約5kmもの巨大な氷河。湖に向かってゆっくりと流れ、氷河の流動と気温変化、さらには水圧の変化が複雑に影響しあって崩落が見られる。
ウプサラ氷河

ウプサラ氷河

Upsala Glacier

南米最大級の氷河で全長約54km。氷河はゆっくりと湖に流れ込み、巨大な氷塊が時折崩れ落ちる迫力ある景観を作り出す。
ウエムル

ウエムル

Huemul / Hippocamelus bisulcus

希少なシカの一種。体高約80〜100cmで、敏捷かつ警戒心が強いのが特徴。
ダーウィンレア

ダーウィンレア

Darwin’s Rhea / Choique

体高約90〜100cm、体重15〜28kgで、時速60kmで走ることができる俊敏さを持つ。主に草食性で、草や果実、種子などを食べる。繁殖期には、雄が巣を作り、卵を温める役割を担う。

遺産DATA

地域 : 南米
所在地 : Santa Cruz
分類 : 自然遺産
登録年 : 1981年
登録基準 : (vii) (viii)
遺産の面積 : 7269.27㎢
座標 :S50 0 0 W73 14 58

アクセス

エル・カラファテを拠点にツアーに参加するのが一般的。街から国立公園へはツアーバスで約1時間半。

執筆協力者PROFILE

たまやん
たまやん
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。