仏陀の生誕地ルンビニー
マーヤーデヴィ寺院の奥に生誕地を示す石柱が立っている

遺産DATA

地域 : 西・南アジア 保有国 : ネパール 分類 : 文化遺産 登録年 : 1997年 登録基準 : (iii) (vi) 遺産の面積 : 0.0195㎢ バッファ・ゾーン : 0.2278㎢ 座標 : N27 28 8.004 E83 16 34

about

ブッダの生誕地としての巡礼の聖地

仏教の開祖であるガウタマ・シッダールタ(ブッダ)は、紀元前623年(生年については諸説あり)、カピラヴァストゥの王妃であったマーヤー(マーヤーデヴィ)が首都ティラウラコットから実家のあるデーヴァダーハへの里帰りの途中にあった、ルンビニーの庭園で夫人の右脇から生まれたとされています。この地は、ブッダの生誕地として仏教の重要な巡礼地の一つとされ、初期には中国から法顕(4世紀)や玄奘(7世紀)らもその巡礼の記録を残しています。しかし、15世紀以降は巡礼地として仏教徒が訪れることはなくなり、寺院は荒廃し廃墟となっていました。時代が下って、1896年にドイツ人考古学者のフューラーが地元の知事であったカドガ・シャムシェルとともにこの地を訪問し、埋もれていた石柱に古代のブラーフミー文字の碑文を発見しました。碑文の発見によって、この地がブッダの生誕地のルンビニーであることが確認されました。

アショーカ王による巡礼

マウリヤ朝の第3代アショーカ王は敬虔な仏教徒として知られ、インドにある多くの聖地を巡礼しました。訪問の記念として王は各地に石柱を残しており、ルンビニーには紀元前249年に訪問したとされています。この地に建立した石柱には、ここがブッダの生誕地、ルンビニーであることを記しており、埋もれていた聖地である「ルンビニー」の再発見の証拠となりました。また、このアショーカ王の石柱には、マッラ朝の王リプ・マッラがこの地を訪れた際の記録も刻まれており、少なくとも14世紀までは巡礼の地として位置づけられていたことを示しています。

アクセス

カトマンズ空港から最寄りのゴータマ・ブッダ空港まで空路で約30分、ゴータマ・ブッダ空港から車で約30分。

執筆協力者PROFILE

達川 恭之
達川 恭之
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

2017年世界遺産検定1級合格。2018年世界遺産検定マイスター合格。2020年世界遺産アカデミー認定講師登録。福井県唯一の世界遺産アカデミー認定講師として、県内の公民館等での生涯学習講座講師として活動中。世界遺産プランニングチームpassword・『みんなで勉強会』リーダー。

遺産DATA

保有国 : ネパール
分類 : 文化遺産
登録年 : 1997年
登録基準 : (iii) (vi)
遺産の面積 : 0.0195㎢
バッファ・ゾーン : 0.2278㎢
座標 :N27 28 8.004 E83 16 34

アクセス

カトマンズ空港から最寄りのゴータマ・ブッダ空港まで空路で約30分、ゴータマ・ブッダ空港から車で約30分。

執筆協力者PROFILE

達川 恭之
達川 恭之
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

2017年世界遺産検定1級合格。2018年世界遺産検定マイスター合格。2020年世界遺産アカデミー認定講師登録。福井県唯一の世界遺産アカデミー認定講師として、県内の公民館等での生涯学習講座講師として活動中。世界遺産プランニングチームpassword・『みんなで勉強会』リーダー。