ソーヌ川から望むサン・ジョルジュ教会、右手奥にはフルヴィエールの丘
about
2つの川と丘に囲まれた、商業・織物・文化が息づく街
フランス南東部、ローヌ・アルプ地域圏に位置する都市、リヨン。ローヌ川とソーヌ川が交わり、西にフルヴィエールの丘、東にクロワ=ルースの丘を望む地に広がっています。
紀元前1世紀、ローマ時代にガリア三州の首都として築かれて以来、リヨンはヨーロッパの政治や商業、文化において重要な役割を担ってきました。16世紀にはフランス初の証券取引所が開設され、商業都市として発展。同じ頃、フランソワ1世の後押しでイタリアから絹織物産業が導入され、リヨンは世界的な絹の街として名を馳せました。さらに、イタリアとの往来が盛んな位置にあることから、芸術文化も早くから流入し、フランス・ルネサンスの先駆けともなりました。
古代ローマから現代まで、歴史重なる生きた都市空間
リヨンの発展における最大の特徴ともいえるのが、街を壊して再開発を繰り返すのではなく、街が東へと段階的に拡張されてきた点です。これにより、地区の中心地は時代ごとに移動し、それまでの街の特徴や豊かさが破壊されずに残されてきました。その結果現在でも、古代ローマ時代の遺構から中世、ルネサンス、19世紀の労働者住宅に至るまで、各時代の建築や街並みが共存する歴史の層を目にすることができます。リヨンに現存する建物や街並みそのものが、2,000年以上にわたる都市の発展の証として、今なお生き続けているのです。
アクセス
パリからリヨン・パールデュー駅まで電車で2時間。
執筆協力者PROFILE
雨宮 早陽
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師
アクセス
パリからリヨン・パールデュー駅まで電車で2時間。
執筆協力者PROFILE
雨宮 早陽
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師
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