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東アジアで最初のヨーロッパ入植地
中国大陸の南岸、珠江デルタに位置するマカオ(澳門)は、ポルトガルのアジア貿易の拠点となった港街です。元は漁村であり、福建省から中国沿岸を航海する船乗りが立ち寄る中継地でした。ポルトガル人が最初に中国へたどり着いたのは明代の1513年のこと。1557年に明王朝から居住権が与えられ、東アジアで最初のヨーロッパ入植地となると、数多くのカトリック教会や礼拝堂が築かれていきました。 17世紀になると、ポルトガルはオランダをはじめとする他のヨーロッパ列強諸国を 遠ざけるため、マカオに要塞を築きました。1849年、ポルトガルはマカオを自由貿易港と宣言し、1889年にはポルトガル領植民地となりました。イギリス領の香港が発展していくと、次第に貿易の中心は香港へと移り、マカオは外国人の別荘地となりました。1999年に中国へ返還され、現在は特別行政区です。
中国と西洋の文化交流を促進
マカオは東アジアで最初のイエズス会の拠点となり、1602~1640年にかけて建てられた聖母教会と聖ポール大学、また聖ヨセフ修道院は宣教活動の中心でした。修道士は、東アジア最古の西洋式大学であった聖ポール大学で中国語などを学び、布教にあたったといわれます。イエズス会は中国に西洋の幅広い学問をもたらし、天文学や数学、 医学、建築などの知識を広めました。北京の天文台や、円明園で見られるバロック建築などはその一例です。一方で、中国の哲学や宗教、 また茶や絹、植物、陶器といった魅力的な品々を西洋に紹介するなど、様々な側面において中国と西洋の交流を促しました。
22の建造物が世界遺産に登録
世界遺産には計22の建造物群が含まれ、東西2つのエリアに位置しています。媽閣廟や、聖母教会と聖ポール天主堂跡、聖ヨゼフ修道院の他、マカオにおけるポルトガル人最初の居住地であったリラウ広場や、中国初の西洋劇場であるドン・ペドロ5世劇場などがあります。また、シュウナンボーと呼ばれる砂や薬、牡蠣の殻を混ぜた素材で建てられた旧市街の城壁や、海からの攻撃に備えるモンテの砦、プロテスタント墓地なども登録されています。
アクセス
マカオ国際空港からバスで約30分、またはタクシーで約15分。
執筆協力者PROFILE
大阪府出身。大学卒業後電気機器メーカーに入社、2015年退職。在職時代世界遺産に興味を持ち、2010年世界遺産検定マイスター資格取得、以降世界遺産アカデミー認定講師として、大学、自治体、カルチャー教室等で世界遺産講座や世界遺産検定対策講座など多数実施中。
アクセス
マカオ国際空港からバスで約30分、またはタクシーで約15分。
執筆協力者PROFILE
大阪府出身。大学卒業後電気機器メーカーに入社、2015年退職。在職時代世界遺産に興味を持ち、2010年世界遺産検定マイスター資格取得、以降世界遺産アカデミー認定講師として、大学、自治体、カルチャー教室等で世界遺産講座や世界遺産検定対策講座など多数実施中。
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