about
特徴的な渓谷の地形と人類の共生
アンドラ公国南東部、ピレネー山脈の中心に位置する『マドリウ・パラフィタ・クラロー渓谷』は700年以上にわたり人類が山脈の高地にどのように適応してきたかを物語るダイナミックな遺産です。渓谷の上部は氷河が露出した険しい断崖で、最下部では川が渓谷へと流れ込んでいます。国土の9%(42.47㎢)を占める登録範囲には、山脈と人類との共生がうかがえる住居や小屋、乳製品の工房、石造の小道などが残ります。また一帯はラムサール条約にも登録されています。
伝統的な乾式石積み建築
この地域の段々畑や、家畜小屋、乳製品の製造場などの多くの建物には乾式積石工法という技法が採用されています。この工法は結合材を使わずに石材を用いて建築を行う技法です。渓谷内の建物のみならず、渓谷内にある石が敷かれた道にもこの工法が採用されています。渓谷のこの道はピレネー山脈の通過点として機能し、渓谷で行われてきた経済活動の中心軸としての役割を果たし、重要な文化的価値のひとつとなっています。また石積みの知識や技術継承通したコミュニティや伝統表現とも結びついており、この乾式積石建築の技術はアンドラを含むヨーロッパ地域全体で無形文化遺産に登録されています。
家畜と渓谷の植生管理
農業と畜産はアンドラの重要な産業です。半世紀前までは畜産が重要な国の収入源でした。伝統的に畜産が行われてきたため、季節に応じた牧草地が決められており、それに関連した用語も存在します。現在は伝統的な畜産活動も行うと同時に、観光客向けのレジャー活動とも関連させた畜産活動も多く行われています。山に放牧された牛は、草原に群生する植物や低木から草原を守ります。また糞は土壌を肥沃にするため、森林管理と景観維持にとっても重要な存在です。この家畜文化もヨーロッパの他の地域と一緒に無形文化遺産に登録されています。
アクセス
【アンドラ・ラ・ヴェリャから】Estació Nacional d'Autobusos(バスターミナル)でL2バスに乗車、Cruïlla dels Cortals で下車。そこからケーブルカーに乗り、Camí d'Ensagentsまで約6km歩き、渓谷の入り口へ向かう。または、市営環状バスLS線に乗車し、Centre penitenciariで下車。そこから3kmほど歩きLa Comellaへ向かい、さらに2kmほどCamí del Prat Primerを歩いて渓谷への入り口へと向かう。
【エスカルデス・エンゴルダニから】エンゴラスターズ行のバスに乗車し、Vall del Madriuで下車。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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【アンドラ・ラ・ヴェリャから】Estació Nacional d'Autobusos(バスターミナル)でL2バスに乗車、Cruïlla dels Cortals で下車。そこからケーブルカーに乗り、Camí d'Ensagentsまで約6km歩き、渓谷の入り口へ向かう。または、市営環状バスLS線に乗車し、Centre penitenciariで下車。そこから3kmほど歩きLa Comellaへ向かい、さらに2kmほどCamí del Prat Primerを歩いて渓谷への入り口へと向かう。
【エスカルデス・エンゴルダニから】エンゴラスターズ行のバスに乗車し、Vall del Madriuで下車。
執筆協力者PROFILE
筑波大学人文・文化学群人文学類在学。2021年度「世界遺産✕SDGsチャレンジ!」小論文部門、2022年度「世界遺産✕SDGs教員養成プログラム」で最優秀賞。現在は中央アジアを中心とする無形文化遺産の保護や活用について関心がある。
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