about
インド洋に浮かぶ生物多様性の宝庫
セーシェル諸島のプララン島に位置する『メ渓谷自然保護区』は、原生的なヤシ林が広がる自然保護地域です。このヤシ林で優占するのは、世界最大の種子を持つフタゴヤシです。フタゴヤシは、最初の花を咲かせるまでに約25年もの歳月を要し、そこからさらに長い時間をかけて、直径約50cm・重さ20kgにもなる巨大な実を結びます。このフタゴヤシがメ渓谷の象徴となっており、他に5種類の固有種のヤシも生育しています。また、セーシェルに固有の動物も多く生息しており、セーシェルルリバトやセーシェルヒヨドリ、セーシェルタイヨウチョウなどの鳥類、タイガーカメレオンなどの爬虫類、そして多くの無脊椎動物が生息するなど、豊かな生物多様性を保っています。
進化の過程を物語る生態系
この地域には、植物が進化を始めた初期段階を物語る、非常に貴重な証拠が残されています。メ渓谷に広がるヤシ林は、数百万年前に起きた地質学的および生物学的な変化の結果として、長い年月をかけて形成されてきました。中でも、二重の実を持つ希少なフタゴヤシは、この地域の進化のプロセスを象徴する存在です。このようにメ渓谷は、他の熱帯地域が現在の姿に進化する前の段階を伝える「生きた実験室」として、非常に重要な価値を持っています。
アクセス
セーシェル国際空港からプララン島まで飛行機で約20分、プララン島からメ渓谷自然保護区まで車で約20分。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
アクセス
セーシェル国際空港からプララン島まで飛行機で約20分、プララン島からメ渓谷自然保護区まで車で約20分。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
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