about
大航海時代から数多くの船が行き交う場所
マラッカ海峡に面した、古都メラカとペナン島のジョージ・タウンは、東洋と西洋の文化が重層的に融合した独自の都市景観を今に伝える港町です。ヨーロッパとアジアを結ぶ最短航路だったマラッカ海峡は、大航海時代から数多くの船が行き交う場所でした。この海峡の周辺はモンスーンの変わり目に位置するため、これらの港町は、風待ちのために停泊する中継地として栄えていきました。結果的にさまざまな国の人々が交流したことで、この場所では文化的な多様性が育まれ、非常に魅力的な都市となったのです。
84種類の言語が聞かれるメラカ
14世紀末に成立したマラッカ王国の都であったメラカは、オスマン帝国やマルムーク朝、明や琉球から来訪した商人たちで賑わい、「港では84種類の言葉が聞かれる」とも言われたほどでした。16世紀初頭にはポルトガルに征服され、その後オランダ、イギリスなどの列強により数世紀にわたって支配されます。メラカを象徴する場所の「オランダ広場」には、統治時代の歴史的建造物が保存されており、赤茶色の外観をしたプロテスタント教会が目を引きます。この教会は、オランダ改革派教会から英国教会へと教派が変わりましたが、今も信者が集い礼拝が行われています。一本の無垢材でつくられた天井の梁は、建設当時のまま残されているのだそうです。
東南アジア最古の英国教会が残るジョージ・タウン
マラッカ海峡の入口に浮かぶペナン島のジョージ・タウンは、18世紀末にイギリスがマレー半島を植民地化する拠点として整備した街です。イギリス東インド会社の総督フランシス・ライトが東南アジア進出のきっかけとしてこの地に上陸すると、ペナン島を「プリンス・オブ・ウェールズ島」と名付け、彼らは自分たちの居住するエリアをジョージ・タウンと称しました。コーン・ウォリス要塞や、東南アジアでは最古とされる英国教会のセント・ジョージ教会など、イギリス統治時代の面影が色濃く残っています。
アクセス
【メラカ】クアラルンプールからバスで約2時間。/【ジョージ・タウン】クアラルンプールからペナン島へ飛行機で約50分~1時間。ペナン国際空港からは空港タクシーで所要約35分。
執筆協力者PROFILE
北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。
アクセス
【メラカ】クアラルンプールからバスで約2時間。/【ジョージ・タウン】クアラルンプールからペナン島へ飛行機で約50分~1時間。ペナン国際空港からは空港タクシーで所要約35分。
執筆協力者PROFILE
北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。
Similar Heritage
特徴が似た遺産を探す