メルカ・クントゥレとバルチット:エチオピア高原地域の考古学的・古生物学的遺産群
メルカ・クントゥレの発掘現場。初期人類の骨や黒曜石製道具が出土(©Richard Mortel/Wikimedia Commons/CC BY 2.0

遺産DATA

地域 : アフリカ 保有国 : エチオピア連邦民主共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2024年 登録基準 : (iii) (iv) (v) 座標 : N8 42 25.5 E38 34 0(Simbiro)

about

年代が明確な地層に多彩な古人類の化石

エチオピア高原のアワッシュ川上流域にあるこの遺産群は、200万年前から人類の集団がこの地域に居住していたことを証明する先史時代の遺跡です。海抜約2,000mから2,200mにあり、地表の下は、河川による沖積堆積物と火山起源の堆積物が凝灰岩を挟んで堆積し、比較的連続した地層構造が形成されています。堆積物の下に埋もれた古景観の断片と動植物の化石から、更新世のエチオピア高地の高山生態系を復元することができます。考古学的に正確な年代測定ができる地層からは、ホモ・エレクトゥス、ホモ・ハイデルベルゲンシス、古代ホモ・サピエンスの化石が発見されています。これらは、人類が高地に居住し、低地の乾燥サバンナとは異なる高地の厳しい環境や気候条件に適応したことを示す最古の証拠の一つで、人類史の重要な段階を示すものとなっています。

高品質な石器が示す先史時代の高度な生産現場

この遺跡群は、連続した4段階の石器製作技術文化の痕跡が単一の地域で保存されている世界で唯一の場所でもあります。人類の化石と一緒に見つかった様々な石器群は、多彩な火山岩を使って多様な技法で作られており、人類の進化や初期人類グループの認知能力の発達、そして環境への適応の程度をうかがい知ることができます。中でも、高品質で標準化された黒曜石製道具は、専門的な生産現場が存在した可能性を示唆しており、その計画性と革新性のレベルの高さに驚かされます。何世紀にもわたって黒曜石を原料として採掘し、道具製作に利用したことがわかるこの遺産群は、黒曜石利用の最も古い例として知られています。

アクセス

エチオピアの首都アディスアベバへ経由便で約20時間以上。アディスアベバから車をチャーターし南へ約2~3時間。

執筆協力者PROFILE

横田 美晴
横田 美晴
毎日新聞記者・デスク/世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

文化遺産や美術工芸を自身のテーマに関西や北陸、四国で長年取材・執筆。アンコールやマヤなど海外の遺跡取材や、「世界遺産ポンペイの壁画展」などの展覧会運営にも携わった。国内唯一の点字新聞でデスクを担った経験から、世界遺産のアクセシビリティーにも関心を持つ。

遺産DATA

地域 : アフリカ
分類 : 文化遺産
登録年 : 2024年
登録基準 : (iii) (iv) (v)
座標 :N8 42 25.5 E38 34 0(Simbiro)

アクセス

エチオピアの首都アディスアベバへ経由便で約20時間以上。アディスアベバから車をチャーターし南へ約2~3時間。

執筆協力者PROFILE

横田 美晴
横田 美晴
毎日新聞記者・デスク/世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター

文化遺産や美術工芸を自身のテーマに関西や北陸、四国で長年取材・執筆。アンコールやマヤなど海外の遺跡取材や、「世界遺産ポンペイの壁画展」などの展覧会運営にも携わった。国内唯一の点字新聞でデスクを担った経験から、世界遺産のアクセシビリティーにも関心を持つ。