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クシュ王国の遺跡とメロエ文化
スーダン中央東部、ナイル川とアトバラ川に挟まれた半砂漠地帯には、紀元前8世紀から後4世紀にかけて栄えたクシュ王国の遺跡が残ります。クシュ王国とは、前10〜9世紀頃にナイル中部地域に興隆した大国でした。王国の文化は、ナパタ文化とメロエ文化の2つの時期に分けられます。前期は紀元前900〜前270年にかけてナパタ地域を中心に栄え、当時の支配者の埋葬地などを含む遺跡は『ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群』として世界遺産に登録されています。メロエ文化は、王国がナイル川近くのメロエへと遷都し最盛期を迎えた前270〜後350年の時期を指し、地中海からアフリカの中心部まで版図を広げました。本遺産には、メロエにあるクシュ王の王都や、内陸に位置する宗教遺跡のナカとムサワラット・エス・スフラが含まれています。ピラミッド、寺院、住宅、灌漑システム、工業地帯などがあり、1,000年以上にわたって形成されたメロエ文化の証拠でもあります。
アフリカ人史上初の製鉄技術の中心地
メロエ文化の代表的なものとして、製鉄技術があります。アフリカ人史上初の製鉄技術の中心地になるほど発展しました。メロエ島では鉄鉱石が採取できることに加えて、製鉄の燃料として欠かせない樹木が豊富であったことが関係しています。メロエで生産された鉄器を交易品として、サハラ以南のアフリカ、中東、インド、中国などと交流が行われました。また、メロエ文字という文字文化があります。ヒエログリフをもとにしたとされ、エジプトの影響を受けたことがわかっています。
アクセス
ハルツームからシェンディまで車で約3時間、シェンディからメロエ島の考古遺跡まで車で約1時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
アクセス
ハルツームからシェンディまで車で約3時間、シェンディからメロエ島の考古遺跡まで車で約1時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
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