ミノア文明の宮殿群
クレタ島に点在するミノア文明の宮殿群は、単なる王の住居ではなく、政治・経済・宗教活動の多機能拠点であるとされている

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : ギリシャ共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 2025年 登録基準 : (ii) (iii) (iv) (vi) 遺産の面積 : 0.29512㎢ バッファ・ゾーン : 15.86923㎢ 座標 : N35 17 50 E25 9 45

about

未だ解明されていない海洋的な文明

ミノア文明とは古代ギリシャ文明のひとつで、エーゲ海のクレタ島を中心に栄えた青銅器文明です。ミノアとは伝説上の王であるミノス王からきていますが、島の名をとりクレタ文明ということもしばしばあります。この文明を築いた民族については残念ながらあまりわかっていませんが、紀元前1900年頃から栄え、世界史の教科書でもお馴染みのクノッソス宮殿などの壮大な宮殿が築かれました。当時の民族が使用した文字を線文字Aと言いますが、未解読のため、早急な解読が期待されます。しかし、城壁がなく、多数の壺に海の生物が描かれていることから、開放的で海洋的な文明だったと推測されています。

あのミノタウロス伝説が残る宮殿

世界遺産には6つの考古遺跡が登録されています。そのなかで最も有名なものがクノッソス宮殿でしょう。この宮殿は先述したミノア王の宮殿とされていて、20世紀に考古学者アーサー・エヴァンズによって発掘されました。このクノッソスには有名な伝説があります。牛の頭を持ち人の体を持つ「ミノタウロス」の存在です。彼はミノア王の命により、迷宮に閉じ込められてしまうのですが、定期的にミノタウロスの食料として、幼い男女が送られたのです。ミノタウロスは両手に斧を持ち、彼らを襲いました。この巨大な迷宮はラビリンスと呼ばれたので、今では「迷路」の語源となっています。

アクセス

首都アテネからクレタ島中心部のイラクリオンへ、そこから南へ約5km。

執筆協力者PROFILE

藤井 翼
藤井 翼
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。

遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 2025年
登録基準 : (ii) (iii) (iv) (vi)
遺産の面積 : 0.29512㎢
バッファ・ゾーン : 15.86923㎢
座標 :N35 17 50 E25 9 45

アクセス

首都アテネからクレタ島中心部のイラクリオンへ、そこから南へ約5km。

執筆協力者PROFILE

藤井 翼
藤井 翼
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

世界遺産検定初代マイスターの一人。地歴公民科の教諭として7年間大阪の公立高校で勤務。現在、世界遺産アカデミー認定講師として大学や私立中学で講義、授業を展開。また、自身のYouTubeチャンネル「翼の世界史チャンネル」で受験世界史の動画を配信。