モデナ:大聖堂と市民の塔(トッレ・チヴィカ)、グランデ広場
ロマネスク様式の傑作といわれるモデナ大聖堂。中世イタリアの自由都市の繁栄を偲ばせる

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : イタリア共和国 分類 : 文化遺産 登録年 : 1997年 登録基準 : (i) (ii) (iii) (iv) 遺産の面積 : 0.012㎢ バッファ・ゾーン : 0.011㎢ 座標 : N44 38 46.464 E10 55 32.4

about

広場、大聖堂、鐘楼が一体となった街

モデナはイタリア北部エミリア・ロマーニャ州にあります。モデナ市内あるいは近郊には、「マセラティ」や「フェラーリ」などの最先端のスポーツカーを製造する会社の本社があります。その一方で、旧市街では、中心にあるグランデ広場、大聖堂、鐘楼などが一体となっていて、中世の面影を今に残しています。そして、キリスト教における宗教上の結びつきの強さと、この地を支配したカノッサ家の影響を見ることができます。

イタリア・ロマネスクの傑作である大聖堂

グランデ広場の北側に立つ大聖堂はロマネスク様式の傑作といわれます。イタリア北西部のロンバルディア地方の建築家ランフランコによる設計で、1099年に起工され、1184年に完成しました。大聖堂の正面は、12世紀の彫刻家ヴィリジェルモによる旧約聖書の物語を伝える浮彫で飾られています。聖堂の天井は高く、美しいバラ窓にはゴシック様式の要素も見られます。12世紀の後半からは、大聖堂の保守を任された「カンピオーネの職人たち」と呼ばれた後継者たちによって装飾が加えられました。

街のシンボル「ギルランディーナ」

大聖堂の隣にそびえ立つ鐘楼である「市民の塔」(トッレ・チヴィカ)は、12世紀に建設が始まり16世紀に完成しました。その高さは88mで街のシンボルであり、訪れる人にとっての目印となっています。大聖堂と同じく白大理石造りで、鐘楼に付属する風向計に青銅製のギルランダ(花冠)があることから、「ギルランディーナ」の愛称で呼ばれています。塔の5階まではロマネスク様式で、6階とその上の尖塔はゴシック様式でつくられています。

アクセス

ボローニャから列車で約40分。ミラノからは特急列車で約2時間。

執筆協力者PROFILE

山口 利光
山口 利光
NPO法人世界遺産アカデミー客員研究員

米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。

遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 1997年
登録基準 : (i) (ii) (iii) (iv)
遺産の面積 : 0.012㎢
バッファ・ゾーン : 0.011㎢
座標 :N44 38 46.464 E10 55 32.4

アクセス

ボローニャから列車で約40分。ミラノからは特急列車で約2時間。

執筆協力者PROFILE

山口 利光
山口 利光
NPO法人世界遺産アカデミー客員研究員

米国総合化学会社の日本法人にて海外人事部門などで40年間勤務した後、筑波大学大学院人間総合科学研究科世界文化遺産学専攻の博士課程を修了。博士(世界遺産学)。日本造園学会会員。日本シルク学会会員。元大東文化大学国際関係学部非常勤講師。