about
プロテスタントの理想都市
モラヴィア教会は、ルター派教会の1つで、モラヴィア兄弟団とも呼ばれています。このモラヴィア教会に関係する4つの集落が国境を超えて4ヵ国に存在し、世界遺産に登録されています。これらの集落はヘルンフート(ドイツ)、ベツレヘム(アメリカ)、グレースヒル(英国)、クリスティアンスフェル(デンマーク)です。いずれの集落も、プロテスタントの理想を反映した都市計画に基づいて設立されており、平等とヒューマニズムが重視された街づくりがなされています。
国境を超えて広がる4ヵ国の集落
1722年に「母集落」として設立されたヘルンフートは、モラヴィア教会の都市計画と建築設計の原則に則って築かれました。1741年に設立されたベツレヘムは、北米における最初の恒久的なモラヴィア教会の集落であり、最も良好な保存状態を保っています。1759年に開発されたグレースヒルは、広場を中心に碁盤の目状に整備された計画が特徴で、イギリスにおいて最もよく保存されたモラヴィア教会の集落です。1773年に創設されたクリスティアンスフェルは、中央広場と印象的な建物群を擁し、北欧におけるモラヴィア教会集落の中でも、最も保存状態が良い例とされています。
統一感と一貫性のある都市計画
各集落の建築様式は、18世紀から19世紀初頭の教会形成期に築かれた「理想都市」の概念に基づき、統一された一貫性のある都市計画を反映しています。4つの集落には、ゲマインハウス(会衆の建物)、教会、聖歌隊舎(未婚の男性、未婚の女性、未亡人のための共同住宅)など、モラヴィア独自の建築物が見られます。これらの近くには「ゴッズ・アクレ(墓地)」もあります。各集落は、モラヴィア教会の伝統的なバロック様式を基盤としつつ、地域の状況に応じてアレンジされた独自の建築様式を持っています。これらの集落は、モラヴィア人の国際的なコミュニティが築くグローバルネットワークとしての広がりと一貫性を象徴しています。現在も各集落には活発な会衆が存在し、その伝統の継承が生きたモラヴィアの遺産を形づくっています。
アクセス
ヘルンフート(ドイツ):ドレスデン国際空港から車で約1時間半。 ベツレヘム(アメリカ):リーハイ・バレー国際空港から車で約15分、電車で約40分。 グレースヒル(英国):ベルファストから車で30分。鉄道の場合は、ランヨン・プレイス駅からバリミーナ駅まで約40分、そこからグレースヒルまで徒歩またはタクシーで約10〜15分。 クリスティアンスフェル(デンマーク):コペンハーゲンからコリングを経由して約3時間。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
アクセス
ヘルンフート(ドイツ):ドレスデン国際空港から車で約1時間半。 ベツレヘム(アメリカ):リーハイ・バレー国際空港から車で約15分、電車で約40分。 グレースヒル(英国):ベルファストから車で30分。鉄道の場合は、ランヨン・プレイス駅からバリミーナ駅まで約40分、そこからグレースヒルまで徒歩またはタクシーで約10〜15分。 クリスティアンスフェル(デンマーク):コペンハーゲンからコリングを経由して約3時間。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
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