ヴィクトリアの滝(モシ・オ・トゥニャ)
雨季の増水期には、毎分50万トンもの水が流れ落ちる世界三大瀑布のひとつ

遺産DATA

地域 : アフリカ 保有国 : ザンビア共和国, ジンバブエ共和国 分類 : 自然遺産 登録年 : 1989年 登録基準 : (vii) (viii) 遺産の面積 : 68.6㎢ 座標 : S17 55 28.308 E25 51 19.4

about

多様な生態系の源として

アフリカ南部のザンビアとジンバブエにまたがる『ヴィクトリアの滝(モシ・オ・トゥニャ)』は、幅1,708m、落差約100mの世界最大級の滝です。毎分5億リットルの水が轟音とともに流れ落ちる壮大な姿は、遠く30〜50km離れた場所からもその水しぶきが見えるほどです。飛沫により川沿いには熱帯雨林が生まれ、多くの動植物の命を育んでいます。セーブルアンテロープを含む約30種類の大型哺乳類や、タイタハヤブサ、クロワシなどの絶滅危惧種を含む400種類以上の鳥類も生息しています。1855年にこの滝を訪れた探検家デイヴィッド・リヴィングストンは、イギリス女王の名にちなみ「ヴィクトリアの滝」と名付けました。現地では「モシ・オ・トゥニャ(轟音を響かせる水煙)」と呼ばれています。

壮大な自然が削った玄武岩と、人類の証

滝の下流には、河川が硬い玄武岩を削りながら形成した峡谷がジグザグ状に広がっています。これらは長い時間をかけて滝が後退してきた証であり、かつて滝が流れていた場所です。現在の滝は8つ目で、今も台地の形を変え続けています。さらに、周辺からは300万年前のホモ・ハビリスの石器、中期石器時代の石器、狩猟採集民の居住を示す後期石器時代の武器、装飾品、掘削道具などが出土しています。自然遺産として登録されているものの、自然と人類の歴史が交差する貴重な場所となっています。

アクセス

ザンビア側:リヴィングストン空港から車で約15分。ジンバブエ側:ヴィクトリアフォールズ空港から車で約20分。

執筆協力者PROFILE

KANAE
KANAE
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。

遺産DATA

地域 : アフリカ
分類 : 自然遺産
登録年 : 1989年
登録基準 : (vii) (viii)
遺産の面積 : 68.6㎢
座標 :S17 55 28.308 E25 51 19.4

アクセス

ザンビア側:リヴィングストン空港から車で約15分。ジンバブエ側:ヴィクトリアフォールズ空港から車で約20分。

執筆協力者PROFILE

KANAE
KANAE
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。