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紀元前に建造された岷江の水流を制御する生態工学
都江堰(とこうえん)水利施設の建設は紀元前3世紀に始まり、2,250年以上経った現在も、岷江(びんこう)の水を制御し、成都平原の肥沃な農地へ水を供給し続けている生きた遺産です。この水利施設はダムを使用せず、自然の地形と水文学的特徴を活用して、灌漑用水の取水、堆積物の排出、洪水対策、流量調整といった問題を解決した生態工学上の偉業です。唐、宋、元、明の時代に改修・拡張が行われ、現在では6,687㎢の農地に灌漑を行っています。これは古代中国で達成された科学技術の大きな進歩を鮮明に示しています。
治水と灌漑を可能にする3つの主要な土木構造物
都江堰水利施設は、堰堤(えんてい)と呼ばれる主要な部分と灌漑区域の二つから構成されています。岷江上流域の水を制御する堰堤には、三つの重要な構成要素があります。岷江の流れを、本流と、都市部へ流れる内江の2つに分ける魚嘴(ぎょし)、余分な水や土砂・小石が内江へと流れ込まないよう本流へと戻す飛沙堰(ひさえん)水門、そして内江の水を成都平原へ導き、洪水時には水量を自動的に調整する宝瓶口(ほうへいこう)導水路です。また、魚嘴の上流にある百丈堤などの補助施設と併せ、堰堤は成都平原への安定した水供給を確実なものとし、品質の高い水を都市に供給することを可能にしました。また、洪水対策や灌漑、水輸送など包括的な恩恵をもたらしてきました。
東アジアの思想に影響を与えた道教発祥の聖地のひとつ
都江堰水利施設に隣接する青城山は、紀元142年に張陵が道教の一派である五斗米道の教義を創始した場所として、中国の歴史上有名な山となっています。この山に建てられた11の重要な道教寺院は、四川省西部の伝統的な建築様式を反映しており、青城山は道教発祥の地のひとつとされており、長期間にわたり東アジアで最も影響力のある宗教のひとつである道教の創設に密接に関連しています。その後、17世紀には、再び道教の知的および精神的な中心地としての役割を再開しました。
アクセス
成都の地下鉄 4号線で安徳駅まで乗車。都江堰観光バスへ乗り換えし約30〜40分で都江堰景区入り口へ到着。
執筆協力者PROFILE
福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。
アクセス
成都の地下鉄 4号線で安徳駅まで乗車。都江堰観光バスへ乗り換えし約30〜40分で都江堰景区入り口へ到着。
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福島県出身。世界遺産や絶景、離島などを求め、国内に留まらず70カ国以上を旅するほどの旅好き。普段は上場企業の会社員として働きながらトラベルライターや小笠原諸島のアンバサダーなど、世界遺産や旅を軸に多岐にわたり活動を行っている。
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