about
古代日本の王たちの墓
大阪平野の台地上に位置する「百舌鳥エリア」と「古市エリア」の49基45件の古墳群は、4世紀後半から5世紀後半にかけて築造された、古代日本列島を支配していた王たちの墓です。大阪平野は、古代日本における政治文化の中心地のひとつであり、多くの大陸に向かう船や、大陸から訪れた外国船が古墳を目にすることができる場所に位置していました。百舌鳥・古市の2つのエリアでは、いずれも4㎞四方の範囲に多数の古墳が密集しています。これらの古墳は、同時代に築造されたにもかかわらず、前方後円墳、帆立貝形墳、円墳、方墳という4つの標準化された形式と、20mから500m近くに及ぶ多様な規模を備えています。

葬送儀礼の舞台としてデザインされたユニークな建築的到達点
古墳の墳丘は、円・三角・方(四角)といった各種の幾何学的図形、ならびに水平面と一定の角度に保たれた傾斜を組み合わせて設計されています。これらの墳丘は、濠の開削や周辺の掘削によって得られた土を盛り上げて造成されました。墳丘の斜面は、25度前後の斜面と水平面を組み合わせ、2段から3段にわたって築かれています。斜面には、人の頭ほどからこぶし大の礫が敷かれており、これを葺石(ふきいし)と呼びます。葺石は、墳丘の装飾であると同時に、盛土の崩落を防ぐ保護の役割を果たしていたと考えられています。墳丘の頂上部やテラス部分、堤上には、葺石の施工とほぼ同時期に、焼き物である埴輪(はにわ)が並べられました。埴輪とは、古墳の表面を装飾するために用いられた粘土製の焼き物で、筒状の「円筒埴輪」と、物や生き物の形をした「形象埴輪」の2種類があります。中でも円筒埴輪が圧倒的多数を占めており、古墳が築かれるたびに膨大な数が設置されました。形象埴輪には、家、盾、甲冑などの道具類、鶏や水鳥、馬、犬、猪といった動物、さらには巫女、武人、力士などの人物など、さまざまな種類があります。
アクセス
徒歩やレンタサイクルで古墳群を巡るのがおすすめ。【百舌鳥古墳群】JR阪和線「百舌鳥駅」が最寄り。【古市古墳群】近鉄南大阪線の古市駅、土師ノ里駅、藤井寺駅が最寄り。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
アクセス
徒歩やレンタサイクルで古墳群を巡るのがおすすめ。【百舌鳥古墳群】JR阪和線「百舌鳥駅」が最寄り。【古市古墳群】近鉄南大阪線の古市駅、土師ノ里駅、藤井寺駅が最寄り。
執筆協力者PROFILE
國學院大学文学部史学科卒。東海大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学修士。NPO法人世界遺産アカデミー認定講師。世界遺産検定マイスター。歴史能力検定1級。世界史、世界遺産、ビッグヒストリーに関するさまざまな書籍の執筆・翻訳・監修を手掛けてきた。
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