
about
時代を経ても変わらないジョージア正教の中心地
ジョージア中央東部、アラグヴィ川とムトゥクヴァリ川の合流点に位置するムツヘタは、紀元前4世紀から5世紀までイベリア王国(カルトリ)の首都として繁栄しました。4世紀にキリスト教が伝わり、国教となることが宣言されたこの場所には、聖堂や修道院が建てられています。首都がトビリシに移された5世紀以降も、ムツヘタはキリスト教の拠点として主導的な役割を維持し続けました。現在でもジョージア正教会と使徒教会の本部が置かれている重要地点です。自然条件に恵まれ、貿易ルートの交差点でもあるこの場所は、ペルシア、アラブ、ビザンツ帝国などの支配下に置かれたことで文化的な影響を受けます。主にビザンツ帝国の影響を受けて発展し、地元の文化的伝統の融合につながりました。
最盛期の中世ジョージアの象徴
『ムツヘタの歴史的建造物群』は、ジュワリ修道院、スヴェティツホヴェリ大聖堂、サムタヴロ修道院で構成されています。ジュワリ修道院は6〜7世紀の創建です。4世紀、ムツヘタにキリスト教を伝えたとされる聖ニノが、十字架を立てて祈りを捧げた場所といわれており、国内で最も神聖な場所のひとつとして残っています。また、スヴェティツホヴェリ大聖堂はイベリア王ミリアン3世によって建てられたもので、国内では最古で最大の聖堂です(現存するのは11世紀に再建されたもの)。そしてサムタヴロ修道院には、ミリアン3世と妻ナナの墓が残ります。いずれの遺産も中世ジョージアの重要な建造物であり、4世紀から18世紀にわたりコーカサス地方で発展した教会建築を今に伝えています。
アクセス
トビリシからムツヘタの歴史的建造物群まで車やバスで30分〜1時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
アクセス
トビリシからムツヘタの歴史的建造物群まで車やバスで30分〜1時間。
執筆協力者PROFILE
世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。
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