about
長い流浪の末に築いた防護壁で守られた街
アルジェリア北部、首都アルジェの南約450km、サハラ砂漠の涸れ谷に点在する5つのクスール(要塞都市)の建築群。異端視されたイスラム教イバード派のムザブ人が、長い流浪の末、11世紀はじめにガルダイアを中心に頑強な防護壁に守られた街を築き、定住しました。独自の文化をもち、何世紀にもわたってその結束を維持してきた要塞の街は、シンプルでありながら機能的で、環境に適応した建築が特徴的です。
ル・コルビュジエも魅了する景観
壁に囲まれた街には、先端が王冠状の簡素なモスクのほか、ベージュなどに塗られた立方体の独特の建物が密集しています。それぞれの街はモスクによって支配されており、そのミナレットは望楼として機能しています。モスクは、包囲された場合の最後の抵抗の砦である要塞として考えられており、武器庫と穀物貯蔵庫で構成されています。共同生活に欠かせないこの建物の周りには、城壁まで同心円状に建てられた家々が並んでいます。各家は標準的なタイプの立方体のセルを構成し、平等主義社会を示しています。そのキュビズム的な建築造形とユニークな景観を誇る都市計画は、ル・コルビュジエなど現代の多くの建築家を魅了しています。こうしたムザブの谷の要塞の街は、ガルダイアのほか、エル・アーティフ、ブー・ヌーラ、ベニ・イスゲン、メリカ、そして少し離れた場所にあるベリアーヌ、ゲラーラがあります。このうち、ベリアーヌ、ゲラーラを除く5つの街が世界遺産に登録されています。
アクセス
首都アルジェの空港からガルダイアの空港まで、直行便で1時間半。
執筆協力者PROFILE
中央大学文学部卒業。慶應義塾大学大学院修了(MBA)。元民放ニュースキャスターで、NHKに転職後、解説委員として世界遺産の価値や課題を取材・解説。学芸員、防災士の資格をもつ。文化審議会文化政策部会の委員を務めた(15〜22期)。
アクセス
首都アルジェの空港からガルダイアの空港まで、直行便で1時間半。
執筆協力者PROFILE
中央大学文学部卒業。慶應義塾大学大学院修了(MBA)。元民放ニュースキャスターで、NHKに転職後、解説委員として世界遺産の価値や課題を取材・解説。学芸員、防災士の資格をもつ。文化審議会文化政策部会の委員を務めた(15〜22期)。
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