ナン・マトール:ミクロネシア東部の儀礼的中心地
宮殿や寺院、墓地、住居など、多様な石造りの建築物の跡が残されている

遺産DATA

地域 : オセアニア 保有国 : ミクロネシア連邦 分類 : 文化遺産 登録年 : 2016年 危機遺産 : 2016年~ 登録基準 : (i) (iii) (iv) (vi) 遺産の面積 : 0.767㎢ バッファ・ゾーン : 6.64㎢ 座標 : N6 50 23 E158 19 51

about

「神々と人間との間に広がる空間」の意味を持つ遺産

ミクロネシア連邦のポンペイ島の沖合には、およそ100を数える人工島があります。現地語で「ナン・マトール」と呼ばれ、「神々と人間との間に広がる空間」という意味を持つ遺跡群です。柱状玄武岩とサンゴの巨石や小石を積み上げてつくられた人工島は、幅が約1.5㎞、奥行約700mの海域に点在します。人工島にはそれぞれ宮殿や寺院、墓所、浴場や住居といった機能がありました。外海からの入り口は一つで、人々は、カヌーに乗り移動していたとされています。ナン・マトールは太平洋地域で最大規模を誇る遺跡で、今もなお、地元民によって神聖な場所とみなされています。しかし、マングローブなど植物の繁茂や、水路でのシルト堆積といった脅威により、世界遺産リスト登録と同時に危機遺産リストにも記載されました。

サウデルール朝による政治や宗教を司る中心地

ナン・マトールは、西暦1100年から1600年ごろにポンペイ島を統治していたサウデルール朝が政治や宗教を司る儀礼の中心地でした。精巧に築かれた巨大な建造物の集中は、島嶼社会における複雑な社会慣習、宗教的慣習を示します。この時代から今も伝わる独自の文化に、伝統飲料「サカオ」があります。それは、コショウ科の植物の根を玄武岩の上で潰し、水に浸してからハイビスカスの樹皮で包んで絞ったものです。宗教儀礼やお祭りなどの行事で振る舞われていました。サカオには気分を落ち着かせる鎮静作用があります。ナン・マトールで平穏な暮らしが続いていたのは、これを飲んでいたおかげだとも言われています。

アクセス

グアムからポンペイまで空路で2時間半。ポンペイ島からはボートを利用するのが最も便利。

執筆協力者PROFILE

記者(フリーランス)/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。

遺産DATA

分類 : 文化遺産
登録年 : 2016年
危機遺産 : 2016年~
登録基準 : (i) (iii) (iv) (vi)
遺産の面積 : 0.767㎢
バッファ・ゾーン : 6.64㎢
座標 :N6 50 23 E158 19 51

アクセス

グアムからポンペイまで空路で2時間半。ポンペイ島からはボートを利用するのが最も便利。

執筆協力者PROFILE

記者(フリーランス)/NPO法人世界遺産アカデミー認定講師

北海道出身。高校時代にAFSでタイ王国へ交換留学。その後、同志社大学へ進学し、卒業後は専門紙記者として10年働いたのち、一般メディアで編集および取材活動に従事。世界遺産検定マイスター。特に好きな分野は、一神教などの宗教・信仰関連遺産。趣味は華道。