ナウムブルクの大聖堂
建築の素晴らしさもさることながら、内部の彫刻も傑作と評される

遺産DATA

地域 : ヨーロッパ 保有国 : ドイツ連邦共和国 所在地 : State of Saxony-Anhalt, Germany 分類 : 文化遺産 登録年 : 2018年 登録基準 : (i) (ii) 遺産の面積 : 0.0182㎢ バッファ・ゾーン : 0.5698㎢ 座標 : N51 9 17.3 E11 48 14.4

about

中世美術と建築の傑作

ナウムブルク大聖堂は、1028年に建設が始まったチューリンゲン州の大聖堂で、ロマネスク後期からゴシック初期にかけての建築様式の変遷を示しています。内部の西側聖歌隊席や創設者像、ロッドスクリーンは無名の「ナウムブルクのマイスター」と呼ばれる彫刻家の傑作で、建築、彫刻、ステンドグラスを一体化した中世美術の頂点を示しています。特に12体の等身大創設者像はリアリズムを追求し、自然観察や古典文化を反映しています。建築全体が調和する様子からは、13世紀の宗教・芸術の変化を感じることができます。

大聖堂が伝えるヨーロッパの文化交流

大聖堂の西側聖歌隊席は、ナウムブルクのマイスターとその工房によってわずか6年で完成されました。この工房は、13世紀後半の建築・彫刻の革新を広める先導的な存在であり、北フランスから中ライン地方、神聖ローマ帝国東部境界まで移動し、ヨーロッパ各地で文化交流に寄与しました。建築、彫刻、ステンドグラスを統合したデザインは、単なる芸術作品にとどまらず、当時の宗教的変化や技術革新、国際的な文化の流れを理解する重要な証拠となっています。このように、ナウムブルクは中世ヨーロッパの文化的交差点として、その影響の広がりを示す貴重な文化遺産となっています。

アクセス

ベルリンからナウムブルク中央駅まで鉄道で約2時間、さらにナウムブルク中央駅から大聖堂まで徒歩で約20分。

執筆協力者PROFILE

KANAE
KANAE
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。

遺産DATA

所在地 : State of Saxony-Anhalt, Germany
分類 : 文化遺産
登録年 : 2018年
登録基準 : (i) (ii)
遺産の面積 : 0.0182㎢
バッファ・ゾーン : 0.5698㎢
座標 :N51 9 17.3 E11 48 14.4

アクセス

ベルリンからナウムブルク中央駅まで鉄道で約2時間、さらにナウムブルク中央駅から大聖堂まで徒歩で約20分。

執筆協力者PROFILE

KANAE
KANAE
NPO法人世界遺産アカデミー認定講師/世界遺産検定マイスター/Podcast「行きたくなる世界遺産!」パーソナリティ

世界遺産をテーマに、文化・歴史・自然の魅力を多角的に伝えるPodcast番組を展開。遺産の価値に加え、現代に通じる暮らしの哲学や自然共生の視点を取り入れた発信を行う。大学や世界遺産関連施設での講演・イベント出演のほか、2025年大阪・関西万博での登壇も経験。