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産業革命期の水力紡績機を導入した紡績工場と諸施設
英国スコットランドのグラスゴーの南にある美しい渓谷に綿紡績工場を中心とした村があります。紡績工場は1785年の設立で、リチャード・アークライトが開発した水力紡績機を導入し、品質の向上と大量生産を可能にしました。紡績工場や付属設備の他に、工場労働者のための住宅や諸施設があります。ここを建設したのは実業家のデヴィッド・デイルで、その娘婿のロバート・オーウェンの人道主義思想を取り入れ、数々の労働者福祉の施設を設けました。
ロバート・オーウェンの人道主義と労働者のための諸施設
ロバート・オーウェンは、労働者の質の高い生活と子弟の優れた教育環境がなければ、生産効率の向上は望めないという信条をもって、「生活協同組合の原形」を整え、「労働時間を12時間に短縮」「年少の子供の雇用を禁止」「子弟のための学校や幼稚園の設置」などを実行し、不幸のない産業社会づくりに努力しました。当初は彼の考えは急進的だとみなされましたが、結果として、19世紀にはここは世界最大級の産業グループとなりました。利益の追及と労働環境の改善が両立することを示した重要な事例であり、社会史・産業史における画期的な出来事です。
アクセス
スコットランド最大の都市、グラスゴーから鉄道でラナーク駅まで約1時間。 ニュー・ラナークはラナーク駅からバス、タクシーもしくは徒歩で。
執筆協力者PROFILE
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
アクセス
スコットランド最大の都市、グラスゴーから鉄道でラナーク駅まで約1時間。 ニュー・ラナークはラナーク駅からバス、タクシーもしくは徒歩で。
執筆協力者PROFILE
早稲田大学卒業。損害保険会社勤務の傍ら世界遺産を勉強し、退職後いくつかの大学にて関連講座を担当。現在は大学講師と趣味の音楽(クラシック歌手)の二刀流。
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